フランス、シーズン最後の平場G戦

前日、名騎手だったパット・エデリーが63歳で早逝したというニュースが飛び込んできたヨーロッパ競馬界。悲しみの裡に、フランスではシーズン最後のG戦が行われました。

11月11日、トゥールーズ競馬場のフィーユ・ド・レール賞 Prix Fille de l’Air (GⅢ、3歳上牝、2100メートル)。馬場は good to soft 、12頭が出走し、9頭の3歳馬を3頭の4歳馬が迎え撃つという構図。どの馬が駆ってもG戦は初勝利と言うメンバーでしたが、16対5の1番人気に支持された3歳馬レディー・オブ・キューシュー Lady of Kyushu は前走コンセイユ・ド・パリ賞(GⅡ)こそ6着でしたが、その前のロワイヤリュー賞(GⅡ)では2着しており、G戦勝には最も近い1頭と評価されていました。
レースは6番人気(102対10)の4歳馬ドーヴィル・シャワー Deauville Shower が逃げ、レディー・オブ・キューシューは後方3頭の中の1頭。中団に付けていた2番人気(37対10)のファイヴ・フィフティーン Five Fifteen が先ず残り300メートルで抜け出しましたが、後方に待機していた7番人気(122対10)のタニヤ Taniya が残り400メートルでスパートして追い上げると、ゴール100メートル手前でファイヴ・フィフティーンを捉え、そのまま4分の1馬身差を付けて優勝。本命レディー・オブ・キューシューも一気に追い上げましたが、ハナ差届かず3着に終わっています。

勝ったタニヤは、今年3月にサン=クルーでデビューした3歳馬で、アガ・カーン氏所有、ジャン=クロード・ルジェ厩舎でアレクシス・バデル騎乗。3戦目にリヨンの2200メートルで初勝利を挙げ、続くドーヴィルの条件戦(2000メートル)に連勝。そのあとマルセイユのリステッド戦では12着最下位に大敗しましたが、前走トゥールーズのリステッド戦(2400メートル)で再び3着と好走し、今回がG戦初挑戦での勝利となりました。
未だ7戦3勝2着2回3着1回とキャリアも浅く、父がダービー/愛ダービーのハイ・シャパラル High Chaparral 、母の父は故エデリーが騎乗して凱旋門賞に勝った(サガス Sagace の降着によるとは言え)レインボウ・クエスト Rainbow Quest だけに、奥手の長距離馬であることは間違いないでしょう。これで引退なのか、来年も現役か、現時点で陣営の意向は伝わってきていません。

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください