G戦初勝利3題

フランスから忌まわしいニュースが伝わり、競馬どころではない気分ですが、めげずにレポートを続けます。
11月14日のアメリカは三つの競馬場て夫々一鞍づつのG戦が行われ、何れもG戦初勝利という結果になりました。

先ずアケダクト競馬場のレッド・スミス・ハンデキャップ Red Smith H (芝GⅢ、3歳上、11ハロン)は、firm の馬場に2頭が取り消して8頭立て。芝のG戦を勝っている馬が何頭か出走していましたが、ステークスは初挑戦ながら2連勝中のミスター・メイビー Mr Maybe が2対1の1番人気。
レースは4番人気(4対1)のウォー・ダンサー War Dancer が逃げ、2番人気(3対1)のミスター・スピーカー Mr Speaker がこれを2番手でマーク。先行2頭が後続を離しながら直線に入りましたが、前半は最後方で待機していた本命ミスター・メイビー Mr Maybe が第3コーナーで徐々に進出、直線では外から一気の末脚で突き抜けると、5番手から伸びた3番人気(7対2)のカイグン Kaigun に4馬身4分の1差を付ける圧勝でした。半馬身差で4番手を進んだ6番人気(11対1)のホリデー・スター Holiday Star が3着。
チャド・ブラウン厩舎、イラッド・オルティス騎乗のミスター・スピーカーは、ステークス初挑戦でG戦ももちろん初勝利となる4歳馬。8月末にパークス・レーシングでアローワンス戦に勝った後に現在のオーナー・グループが購入し、ロバート・レイド厩舎からブラウン厩舎に転じたばかり。ブラウン師も同馬の素質に惚れ込んだようで、来年は10ハロンから12ハロンの芝コースでGⅠを獲れる馬と見込んでいるようです。

一方チャーチル・ダウンズ競馬場のミセス・リヴィーア・ステークス Mrs. Revere S (芝GⅡ、3歳牝、8.5ハロン)は当初18頭の登録がありましたが、取り消しと除外が4頭あり、フルゲートの14頭立て。馬場は雨で good にまで軟化し、前走コモンウェルス・オークス(芝GⅢ)に勝って芝で3連勝中のオナス Onus が2対1の1番人気。
しかし、レースは10番枠からスタートした8番人気(27対1)の伏兵イザベラ・シングス Isabella Sings がハナに立ち、後続に終始2馬身差で逃げると、最後はこれも伏兵11番人気(44対1)ラインハ・ダ・バテリア Rainha Da Bateria に半馬身差まで詰め寄られながらも見事に逃げ切り勝ち。3馬身4分の3差で4番人気(6対1)のディヴァイン・アイーダ Divine Aida が3着に入り、オナスは7番手追走から外に出して負うも、馬場に脚を取られたか伸びず、9着に終わりました。
トッド・プレッチャー厩舎、パコ・ロペス騎乗のイザベラ・シングスは、これが4勝目でG戦は初勝利。2歳時にカナダのGⅡ(ナタルマ・ステークス)で2着、今年3歳時にもモンマスのボイリング・スプリングス・ステークス(GⅢ)で2着しており、やはりモンマスの芝コースで一般ステークス(リトル・シルヴァー・ステークス)に勝っていました。

最後はデル・マー競馬場のボブ・ホープ・ステークス Bob Hope S (GⅢ、2歳、7ハロン)。以前のハリウッド・プレヴュー・ステークスですが、去年からこのレース名に変更されました。7頭が出走し、ステークスに2連勝してG戦に初挑戦してきたテイス・オン・ナイス Toews On Ice が4対5の1番人気。
スタートは外から2番人気(4対1)のマック・ダディー・マック Mac Daddy Mac が先手を奪いましたが、内からテイス・オン・ナイスが並び掛け、僅かの差での逃げ。直線に入っても2頭の争いが続き、一旦はマック・ダディー・マックが先頭に立ちましたが、内からテイス・オン・ナイスが渋太く差し返し、最後は1馬身4分の1差を付けて期待に応えました。3馬身4分の1差で4番手を進んだジョイント6番人気(16対1)のアイムオールレディーゼア I’malreadythere が3着。
ボブ・バファート厩舎、マーチン・ガルシア騎乗のテイス・オン・ナイスは、これで5戦3勝3着2回。デビューから二戦続けて3着の後、9月にロス・アラミトスでバレッツ・ジュヴェナイル(6.5ハロンの一般ステークス)、10月にはサンタ・アニタでもスピークイージー・ステークス(6ハロンの一般ステークス)に勝ち、これで3連勝でのG戦初勝利となります。

 

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