感謝祭のG戦4鞍

昨日のアメリカは感謝祭の祝日。例年のことですが、この日から4日間は連続してG戦が行われます。今年のアメリカ競馬では最後の集中的な開催でもありましょう。

その初日、12月26日は3つの競馬場で合計4鞍のG戦が行われましたが、先ずニューヨークのアケダクト競馬場からはフォール・ハイウエイト・ハンデキャップ Fall Highweight H (GⅢ、3歳上、6ハロン)。レース名の通りアメリカでは珍しくハンデ差の大きな一戦で、去年の勝馬でトップ・ハンデ134ポンドを負担したサリュートス・アミーゴス Salutos Amigos が3対2の1番人気。一昨年の勝馬パレス Palace は2番目に重い133ポンドで続きます(7対1のジョイント3番人気)。
レースは、逃げるしかない軽ハンデ(124ポンド)で最低人気(24対1)のグリーン・グラット Green Gratto が逃げ、サリュートス・アミーゴスは最後方に待機。しかしこの日はグリーン・グラットの逃げが冴え、最後はバテて一杯になりながらも、5番手から追い込んだパレスの猛追を頭差凌いでの逃げ切り勝ち。半馬身差で4番手を進んだ6番人気(11対1)のファビュラス・キッド Fabulous Kid が3着に食い込み、サリュートス・アミーゴスは5着に終わりました。
ガストン・グラント厩舎、ケンドリック・カームーシュ騎乗のグリーン・グラットは、これがステークスも初勝利となる5歳牡馬。今年3月のトム・フール・ハンデ(GⅢ)では逃げて3着、続く4月のカーター・ハンデ(GⅠ)でも逃げて2着と健闘していましたが、7月のベルモント・スプリント・チャンピオンシップ(GⅢ)では逃げ足不発ながら4着していました。前走11月18日アケダクト競馬場のアローワンス戦では、今回3着だったファビュラス・キッドのハナ差2着からの巻き返しです。なお2着のパレス、6着に終わったラ・ヴェルダッド La Verdad は共にこのレースを最後に引退する予定。前者は種牡馬として、後者は繁殖牝馬として供用が決まっています。

続いてはチャーチル・ダウンズ競馬場の2鞍。先ず去年は11月8日に行われていたリヴァー・シティー・ハンデキャップ River City H (芝GⅢ、3歳上、9ハロン)は、1頭が取り消して8頭立て。ドイツからアメリカに転戦して4戦3勝、前走ニッカーボッカー・ステークス(芝GⅢ)で鮮やかにゴールを決めたメッシ Messi が4対5の1番人気。
チャーチル・ダウンズでは滅法強い2番人気(8対5)のハート・トゥー・ハート Heart to Heart が逃げ、メッシは7番手追走。直線に入ってもハート・トゥー・ハートの逃げ足は快調で、そのまま4番手から追い込んだ3番人気(9対1)のサッチャー・ストリート Thatcher Street に2馬身差を付け、こちらも堂々の逃げ切り勝ち。3馬身差で後方から4番人気(12対1)のパーフェクト・タイトル Perfect Title が3着に追い込み、メッシの末脚は今回は不発の5着に終わりました。
ブライアン・リンチ厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のハート・トゥー・ハート、これでチャーチル・ダウンズでは去年のジェファーソン・カップ(芝GⅢ)、コモンウェルス・ターフ(芝GⅢ)に続き無敗でG戦ハットトリック達成。今期も8月モンマス・パークのオーシャンポート・ハンデ(芝GⅢ)に続く二つ目のG戦タイトルとなりました。

チャーチルのもう一鞍はフォール・シティー・ハンデキャップ Fall City H (GⅡ、3歳上牝、9ハロン)。こちらは fast の馬場に3頭が取り消して10頭立て。今春ガルフストリーム・パークでフォワード・ギャル・ステークス(GⅡ)とガルフストリーム・パーク・オークス(GⅡ)に勝っている3歳馬のバードアットザワイア Birdatthewire が2対1の1番人気。
8番人気(29対1)の伏兵ギャンブラーズ・ローズ Gamblers Rose が逃げましたが、これを2番手で楽に追走していたジョイント4番人気(6対1)のアー・チョコレート Ahh Chocolate が直線入口で外から捉えると、3番手を追走していた6番人気(10対1)のシアゴニー Theogony に1馬身半差を付けて快勝。1馬身差の3着には後方から追い込んだ3番人気(5対1)のコール・パット Call Pat が追い込み、人気のバードアットザワイアは7番手追走も4着まで。なお、2番人気(5対2)に推されていたチャイド Chide はレース中に故障を発生し、安楽死処分となっています。
ネイル・ハワード厩舎、ブライアン・ジョセフ・ヘルナンデス騎乗のアー・チョコレートは、これがG戦初勝利となる3歳馬ながら、ブラック・アイド・スーザン・ステークス(GⅡ)で3着、インディアナ・オークス(GⅡ)でも4着しており、前走11月7日にチャーチルでチルッキ・ステークス(GⅡ)2着をステップとしての参戦。G戦勝ちも時間の問題だった1頭で、通算成績は9戦4勝2着1回3着1回となります。

最後はデル・マー競馬場のハリウッド・ターフ・カップ Hollywood Turf Cup (芝GⅡ、3歳上、12ハロン)。ハリウッド競馬場時代は堂々たるGⅠ戦だった一戦で、今回もGⅠクラスの馬が揃いました。firm の馬場、オーバーフローした2頭が発走除外となる14頭立て。8月のアーリントン・ミリオン(GⅠ)を制したザ・ピッツァ・マン The Pizza Man がイーヴンの1番人気に支持されていました。
レースはジョイント11番人気(50対1)のサザン・フリーダム Southern Freedom がスローに落して逃げ、ザ・ピッツァ・マンは後方4番手に待機。第3コーナー手前では後方2番手まで控えた本命馬でしたが、直線では大外から一気に追い上げると、最後はジョッキーが馬を抑えるほどの余裕を見せ、これも最後方から追い込んだジョイント2番人気(4対1)のビッグ・ジョン・ビー Big John B に2馬身差を付ける大楽勝で見事人気に応えました。半馬身差でジョイント11番人気(50対1)のパワー・フット Power Foot が8番手の中団から伸びて3着。
ロジャー・ブルッヘマン厩舎のザ・ピッツァ・マンは、ずっとフロラン・ジェルー騎手とコンビを組んできましたが、今回ジェルー騎手は契約でフェアグラウンズ競馬場で騎乗しており、名手マイク・スミスに乗り替わってのレースでした。今期はアーリントン・ミリオンの他にも2連覇となったスターズ・アンド・ストライプス・ハンデ(芝GⅢ)に勝った他、シャドウェル・ターフ・マイル(芝GⅠ)で2着、前走BCターフ(芝GⅠ)4着と7戦4勝の6歳せん馬。ジャパン・カップ参戦の意向もあった同馬ですが、肺の感染症のために大事を取って海外遠征は断念し、地元で着実にG戦狙いを選択しました。これで通算成績も26戦15勝となります。

 

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