プレジデンツ・デイのG戦3鞍

三日連続でG戦が行われたアメリカ競馬、昨日はプレジデンツ・デイの休日と言うことで、3つの競馬場で夫々一鞍づつのG戦がおこなわれました。

最初はローレル・パーク競馬場。メリーランド州は雪の予報が出ていて、実際かなりの降雪がありましたが、コースの除雪が進んで無事に開催に漕ぎ着けられたようです。予定通り行われたジェネラル・ジョージ・ステークス General George S (GⅢ、4歳上、7ハロン)、去年は3歳上という条件でしたが、今年は4歳上。内馬場には除雪された雪が積まれていましたが馬場は fast 、1頭が取り消して8頭立て。短距離の一般ステークスに3勝、前走もアケダクトでジェイジル・ステークスに勝ってきたマジェスティック・アフェアー Majestic Affair が3対2の1番人気。
出走馬中唯一のG戦勝馬で、トップ・ハンデ(122ポンド)を背負った3番人気(5対2)のグリーン・グラット Green Gratto がハナに立って逃げ切りを策しましたが、3番手に控えた本命マジェスティック・アフェアーが直線でこれを捉えた所、4番手追走の2番人気(2対1)ペイジ・マッケニー Page McKenney が外から追い上げて2頭のマッチ・レース。最後は2ポンド軽いページ・マッケニーが頭差でマジェスティック・アフェアーを抑えていました。4馬身の差が開いて20対1の伏兵ソニー・インスパイアード Sonny Inspired が3着に食い込み、グリーン・グラットは4着敗退。
メアリー・エプラー厩舎、オラシオ・カラマノス騎乗のページ・マッケニーは、ここまで一般ステークスに8勝もしていた6歳せん馬ですが、G戦は初勝利。また、短距離でのステークスも初勝利となります。去年の4月から6月にかけてチャールズ・タウン・クラシック(GⅡ)3着、ピムリコ・スペシャル(GⅢ)2着、コーンハスカー・ハンデ(GⅢ)3着と続けて入着。前走1月にローレルの一般ステークス(ネイティヴ・ダンサー・ステークス)に勝っての連勝となりました。

続いてオークローン・パーク競馬場からはサウスウエスト・ステークス Southwest S (GⅢ、3歳、8.5ハロン)。去年は大雨で順延されていましたが、今年は予定通りの開催。アーカンソー・ダービーに向けたステップレースとなります。もちろんケンタッキー・ダービーのポイント対象で、1着から4着までは夫々10-4-2-1ポイントが加算。good の馬場にフル・ゲートの14頭が出走、馬券上ペアになる組が二組あって日本人には判り難い発走枠でしたが、今期シェイム・ステークス(GⅢ)に勝っているコレクテッド Collected が5対2の1番人気。
レースは先ず伏兵(21対1)のアメリカン・ドバイ American Dubai がハナを叩きましたが、向正面では14対1のサイディング・スプリング Siding Spring が先頭での逃げ。直線入口で2番手に控えたアメリカン・ドバイが盛り返して先頭に立ちましたが、後方から2番人気(7対2)のフィットモア Whitmore が直ぐに交わしてリード。しかし大外発走から前半は最後方で我慢していた3番人気(4対1)のサドンブレイキングニュース Suddenbreakingnews が大外を回って鬼脚を発揮、フィットモアに2馬身4分の3差を付ける鮮やかな差し切り勝ちでした。半馬身差でアメリカン・ドバイが3着に粘り、人気のコレクテッドは4番手追走から更に2馬身遅れの4着まで。
ドニー・フォン・ヒンメル厩舎、ここまで同馬とコンビを組み続けてきたルイス・キノネス騎乗のサドンブレイキングニュースは、2歳時に5戦して11月の一般ステークス(クレヴァー・トレヴァー・ステークス)を含めて3勝。12月のスプリングボード・マイルなど2着も2回で、これがシーズン・デビューでのG戦初勝利。ダービーへの10ポイントを獲得し、次は同じオークローンのレベル・ステークス(GⅡ)で一つ上のランクを目指します。

休日の最後は、サンタ・アニタ競馬場のサン・ヴィセンテ・ステークス San Vicente S (GⅡ、3歳、7ハロン)。去年は2月第1週でしたが、今年は1週間遅れの開催。fast の馬場に1頭が取り消して5頭立ての寂しいメンバーですが、何と言ってもBCジュヴェナイルの覇者で2歳チャンピオン牡馬に選ばれたナイクィスト Nyquist のシーズン・デビューが見物、2対5の圧倒的1番人気に支持されていました。
スタートで飛び出したのは3番人気(7対1)のシェイク・オブ・シェイクス Sheikh of Sheikhs でしたが、1ハロンほど行ったところで抑えきれない勢いでナイクィストが先頭。そのままリードを保って直線に向かうと、3番手から相手と目されている2番人気(5対2)のエクサジェレイター Exaggerator が外からジワリと追い上げて半馬身まで詰め寄ります。しかしそこから鞍上のムチ数発に応えた大本命、直ぐにライヴァルを突き放すと、最後は抑える余裕でエクサジェレイターに1馬身半差を付けて貫録を見せ付けました。更に2馬身半差で、後方2番手から勝馬と同厩で4番人気(12対1)のデンマンズ・コール Denman’s Call が上がっての3着。後は全くの圏外。勝時計の1分20秒71はレース史上3番目に速いタイムだったそうです。
ダグ・オネイル厩舎、マリオ・グティエレス騎乗のナイクィストに付いては改めて詳しく紹介するまでもないでしょう。6戦6勝の無傷、G戦も5連勝で、早くもGⅠ戦に3勝し、ダービーの本命としての地位は揺らいでいません。あとは距離の克服が課題でしょうが、既にBCで1マイルまでは問題無し。本番までの3か月、この辺りを視野にトライアルを使っていくことになります。もちろんオネイル師には土曜日にエル・カミノ・リアル・ダービーを制したフランク・カンヴァセーション Frank Conversation もおり、使い分けながらの調整となるでしょう。さしあたってはフロリダ・ダービーか?

 

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