オークローンとサンタ・アニタもクラシック・トライアル

今日3本目のアメリカ競馬レポートは、オークローン・パークとサンタ・アニタから。どちらも重要なクラシック・トライアルが含まれています。

先ずオークローン・パーク競馬場のファンタジー・ステークス Fantasy S (GⅢ、3歳牝、8.5ハロン)。ケンタッキー・オークスの100ポイント対象レースで、fast の馬場に6頭立て。前走ファンタジーのトライアルとなるハネービー・ステークス(GⅢ)を圧勝したテラ・プロメッサ Terra Promessa が自然な流れで2対5の圧倒的1番人気。
3番人気(7対1)のレディー・トゥー・コンフェス Ready to Confess が逃げましたが、4番手でジックリ待機したテラ・プロメッサが第3コーナー手前では早くも2番手、第3コーナーで先頭に立つと、最後方から追い込むここまで無敗の同厩馬で2番人気(7対2)だったテクサブル Texable を首差抑えて優勝、ワン・ツー・フィニッシュでオークスに駒を進めます。
親子丼を達成したスティーヴン・アスムッセン厩舎、リカルド・サンタナ騎乗のテラ・プロメッサは、これで5戦4勝。今シーズンは3戦3勝とオークスへの準備は全て整いました。

漸く土曜日の最後、サンタ・アニタ競馬場まで漕ぎ着けました。キーンランド同様雨で馬場は悪化しましたが、ここのG戦は4鞍で、最初はプロヴィデンシア・ステークス Providencisa S (芝GⅢ、3歳牝、9ハロン)。3歳牝馬限定G戦ですが、芝コースのためケンタッキー・オークスとは縁がありません。yielding の芝に9頭が出走し、ここまで4戦して3着以下が一度も無いレディー・ヴァラー Lady Valeur が2対1の1番人気。
ブービー人気(35対1)のドゥー・ザ・ダンス Do the Dance が逃げましたが、前半は大きく置かれた最後方を進んでいた2番人気(3対1)のデックド・アウト Decked Out が直線で鬼脚を発揮、2番手追走の7番人気(19対1)ジェレミーズ・レガシー Heremy’s Legacy に2馬身4分の3差を付ける鮮やかな差し切り勝ちを演じました。頭差でやはり後方3番手から追い込んだ3番人気(7対2)のノディアック Nodiac が3着。
キース・デサーモ厩舎、ケント・デサーモ騎乗の兄弟コンビによるデックド・アウトは、これで9戦2勝。もちろんG戦は初勝利で、3走前のストリート・ライフ・ステークス(短距離の一般ステークス)が芝コースのデビューで3着。続く前走も芝の短距離で、チャイナ・ドール・ステークス5着でした。今回は距離が9ハロンに伸びたことで、差し足が活きたと言えそうです。

さてサンタ・アニタからのオークス便となるのがサンタ・アニタ・オークス Santa Anita Oaks (GⅠ、3歳牝、8.5ハロン)。馬場は sloppy 、1頭が取り消しましたがチャンピオンのソングバード Songbird も参戦しての6頭立て。もちろん無敵のソングバードが1対9と馬鹿げたほどの断然本命。
そのソングバード、スタートからハナに立つと、後は馬なりのまま楽走し、鞍上マイク・スミスも馬を抑えながらも後方3番手から追い込んだ3番人気(14対1!)モカット Mokat に3馬身4分の3を付ける圧巻の勝利。首差で最後方から4番人気(22対1)のシーズ・ア・ウォリアー She’s a Warrior が3着に入りました。
ジェリー・ホーレンドルファー厩舎のソングバードについては改めて紹介するまでもないでしょう。全てマイク・スミスが騎乗し、7戦7勝。GⅠ戦も5勝目で、オークスの断然1番人気は揺るがないでしょう。

一方のサンタ・アニタ・ダービー Santa Anita Derby (GⅠ、3歳、9ハロン)。こちらは2頭が取り消して8頭立てとなり、ロス・アラミトス・フューチュリティー(GⅠ)勝馬のモー・スピリット Mor Spirit が7対5の1番人気。
2番人気(8対5)のダンジング・キャンディー Danzing Candy が逃げましたが、オークスとは対照的に大きく離された最後方に待機した3番人気(3対1)エクサジェレイター Exaggerator の末脚が爆発、第4コーナーで一気に先頭に立つと、4番手を進んだ本命モー・スピリットを6馬身4分の1差突き放す圧勝でダービーに期待を抱かせました。2馬身4分の1差で2番手を追走していた6番人気(25対1)のアンクル・リノ Uncle Lino が3着。
これまたキース、ケントのデサーモ兄弟によるエクサジェレイターは、これで9戦4勝。G戦は去年8月のサラトガ・スペシャル(GⅡ)、11月のデルタ・ダウンズ・ジャックポット・ステークス(GⅢ)に続いて3勝目ですが、もちろんGⅠ戦は初。3月のサンタ・アニタでは同じような泥んこ馬場で行われたサン・フェリペ・ステークス(GⅡ)でも同様に最後方から追い込むも3着でした。その時勝ったのがダンジグ・キャンディーで、2着がモー・スピリットだったことはご存知でしょう。今回ダンジング・キャンディーは4着に終わっています。

昨日の最後は、サンダー・ロード・ステークス Thunder Road S (芝GⅢ、4歳上、8ハロン)。今年からGⅢ戦に格上げされた一戦ですが、中々の好メンバーが揃い、今後は徐々に格上げ避けて行きそうな気がします。3頭が取り消して11頭立て、何と前走フランク・E・キルロー・マイルでGⅠ馬となったワット・エイ・ヴュー What a View が4対5の圧倒的1番人気。
5番人気(17対1)のシー・セイジ Si Sage が逃げ、前走は逃げ切ったワット・エイ・ヴューは4番手から。しかしGⅠ馬になった貫録からか、直線で堂々前を捉えたワット・エイ・ヴュー、2番人気(3対1)のトゥエンティートゥエンティーヴィジョン Twentytwentyvision に1馬身差を付けて前走がフロックでは無かったことを証明しています。首差で6番人気(18対1)のソウル・ドライヴァー Soul Driver が3着。
ケネス・ブラック厩舎、又してもケント・デサーモ騎乗のワット・エイ・ヴューは、これでG戦2連勝でステークスも3連勝。そのプロフィールはキルロー・マイルのレポートを参照してください。

 

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