GⅠ牝馬2題

今週のアメリカ競馬は4日連続のG戦、昨日の金曜日はキーンランドとオークローン・パークで夫々GⅠ戦が一鞍づつ行われました。

先ずキーンランド競馬場からはメイカーズ・46・マイル Maker’s 46 Mile (芝GⅠ、4歳上、8ハロン)。firm の馬場に9頭が参戦し、去年のBCマイル8着、シャドウェル・ターフ(芝GⅠ)でも3着だったトゥーリスト Tourist が3対1の僅差で1番人気。3連勝中のハート・トゥー・ハート Heart to Heart も同じ3対1の2番人気で続きます。
ハート・トゥー・ハートがハナに立ち、直線でも先頭。前半やや離れて3番手を進んだ5番人気(6対1)のミス・テンプル・シティー Miss Temple City が徐々に差を詰め、残り1ハロンでハート・トゥー・ハートを射程に捉えると、逃げ馬を1馬身4分の1差引き離して優勝。更に1馬身4分の1差で6番手から追い上げた本命トゥーリストが3着に入っています。
グレアム・モーション厩舎、ドライデン・ヴァン・ダイク騎乗のミス・テンプル・シティーは、名前から判るように4歳の牝馬。実はこのレースに牝馬が出走するのは同馬が史上初のことで、もちろん牝馬が勝ったのも初めてという快挙でした。ステークスは去年3歳時にピムリコで一般ステークス(ヒルトップ・ステークス)に勝っただけでしたが、GⅠのクィーン・エリザベスⅡ世チャレンジ・カップで2着しており、ロイヤル・アスコットにも遠征してコロネーション・ステークス(GⅠ)での4着が唯一の4着以下という実績の持ち主でした。通算成績は10戦4勝2着3回3着2回となります。

そしてオークローン・パーク競馬場からもGⅠのアップル・ブロッサム・ハンデキャップ Apple Blossom H (GⅠ、4歳上牝、8.5ハロン)。fast の馬場に6頭立て。去年のアップル・ブロッサム勝馬アンタパブル Untapable が、以来4連敗中ながら前走アゼーリ・ステークス(GⅡ)では首差2着惜敗と復活の兆しが見られることから4対5の1番人気。
そのアンタパブルがスタートから先手を取って逃げましたが、2番手を進んだ5番人気(19対1)のストリームライン Streamline に外から並び掛けられると一杯になって後退。更に外から3番手を進んだ3番人気(4対1)のフォレヴァー・アンブライドル Forever Unbridled が追い上げ、最後はストリームラインを2馬身4分の1差突き放しての逆転劇です。1馬身4分の1差で4番手から追い込んだ2番人気(2対1)のタラズ・タンゴ Tara’s Tabgo が3着に入り、アンタパブルは3着馬にも頭差交わされての4着に終わりました。
ダラス・スチュアート厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のフォレヴァー・アンブライドルドは去年のカムリー・ステークス(GⅢ)、今年1月のヒューストン・レディーズ・クラシック(GⅢ)に続くG戦3連勝。GⅠ戦はこれが初制覇となります。母レモンズ・フォレヴァー Lemons Forever はケンタッキー・オークス馬、全姉で紛らわしい名前のアンブライドルド・フォレヴァー Unbridled Forever もバレリーナ・ステークス(GⅠ)勝馬でケンタッキー・オークス3着と華麗なファミリー出身です。キーンランドに続いて4歳牝馬のGⅠ戦初勝利が続きました。

 

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