フランスもシーズン最初のGⅠ戦
ニューマーケットでシーズン最初のクラシック戦が行われていた週末、昨日はフランスでも今期最初のGⅠ戦が行われました。もう一鞍のG戦と併せてレポートしましょう。
舞台は good の馬場となったサン=クルー競馬場、先に行われたガネー賞 Prix Ganay (GⅠ、4歳上、2100メートル)は本来ならロンシャン競馬場のカードですが、今年はサン=クルーに舞台を移しました。
1頭が取り消して10頭立て。去年のユージェーヌ・アダム賞(GⅡ)の勝馬で、この冬はドバイでシーマ・クラシック6着など2戦して来たダリーヤン Dariyan が2対1の1番人気。
レースは9番人気(18対1)のミング・ダイナスティー Ming Dynasty が逃げ、ダリーヤンは最後方に待機、ゴチャつく直線、前が開かず馬群をこじ開けるように進出したダリーヤンが、同じく後方から追い込む8番人気(16対1)に1馬身4分の1差を付けて突き抜けました。3馬身差で先行していた2番人気(4対1)のガーリンガリ Garlingari が3着。
ただ、ダリーヤンが抜け出す際に他馬と接触する場面もあって審議となりましたが、最終的には入線通りで確定したようです。
勝馬はアガ・カーン所有の4歳馬で、もちろんアラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗で、ドバイではポストポーンド Postponed 、ドゥラメンテの後塵を拝していましたが、フランスに戻れば中距離では中心的存在になるべき馬。初のGⅠ制覇を踏み台に、これからの古馬戦線を引っ張って行ってもらいたいものです。
陣営の談話では、目標は夏のヨークで行われるジャドモント・インターナショナルになる予定。
もう一鞍は、当初からサン=クルーのG戦であるミュゲ賞 Prix du Muguet (GⅡ、4歳上、1600メートル)。11頭が出走し、ここでもアガ・カーンの馬が7対5の1番人気。既に仏21000ギニー、コロネーション・ステークス、ムーランとGⅠ戦に3勝している女傑エルヴェディヤ Ervedya です。こちらはアガ・カーン、スミオン騎乗でもルジェ厩舎。しかし相手は実力的には1頭を除いてほぼ拮抗しているメンバー、人気以上に混戦が予想されていました。
5番人気(12対1)のスティルマン Stillman が逃げましたが、エルヴェディヤも後方からの追い込み策。2番手の内に付けていた3番人気(15対2)のヴァダモス Vadamos が残り2ハロンで抜け、エルヴェディヤも最後良く脚を伸ばしましたが、3馬身半差及びませんでした。1馬身4分の1差でこれまた後方から追い込んだ4番人気(9対1)のミスター・オーウェン Mr Owen が3着。
アンドレ・ファーブル厩舎、ピエール=シャルル・ブードーが騎乗したヴァダモスは、昨年の秋にドイツのGⅡ戦に勝ってアスコットのチャンピオン・ステークスに挑戦、3番人気を集めながら13着最下位と期待を裏切っていた5歳馬です。今期はシャンティーのポリトラック条件戦で2着してからドバイ・ワールド・カップに遠征して11着ブービーと大敗。
成績にムラがあるのが難点ですが、今後はマイルのGⅠ戦では侮れない存在になりそう。
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