審議になったロイヤル・ヒロイン

愈々アメリカ競馬は今秋、チャーチル・ダウンズでケンタッキー・オークスとケンタッキー・ダービーが行われます。ニューヨークも舞台をベルモント競馬場に移し、カリフォルニアでもサンタ・アニタ競馬場の春/夏競馬がスタート、一年でも最も忙しい競馬シーズンに突入しました。
ということで全てのG戦をレポートする当欄は憂鬱でもありますが、余り焦らず淡々とレポートしておきましょう。G戦は5月5日の木曜日から5月8日の日曜日まで4日連続、ここは初日の一鞍だけの紹介です。

5月5日はサンタ・アニタ競馬場のロイヤル・ヒロイン・ステークス Royal Heroine S (芝GⅡ、4歳上牝、8ハロン)のみ。去年は6月27日に3歳上として行われましたが、今年はハリウッド競馬場から移管された開催の初日に行われます。
このG戦、現在はGⅡ戦ですが、未だキャッシュコール・マイルというレース名で行われていた時代、GⅢ戦としては最後の2006年に日本のダンスインザムードが遠征して見事勝利したレース、と言えば思い出す方もおられるかも知れません。
今年は firm の馬場にフル・ゲートの14頭立て。実力拮抗の混戦でしたが、フランスでメッシドール賞(GⅢ)で2着したことのあるフォーフィレー Faufiler が9対2、僅かの差で1番人気。
レースはブービー人気(40対1)のスムーヴ・イット Smove It が逃げましたが、前半は7番手の内を進んでいた3番人気(5対1)のナンシー・フロム・ナイロビ Nancy From Nairobi が第4コーナーで外に回しながら追い込み、前半最後方待機から更に大外を回って急襲するフォーフィレーを半馬身抑えて優勝。更に1馬身4分の1差で5番手を進んだ去年の勝馬で6番人気(11対1)のファンティコラ Fanticola が3着に入りました。
レース後直ぐに5着で入線したハー・エミネンシー Her Eminency に騎乗したタイラー・ベイズ騎手から勝馬に対して異議申し立て。第4コーナーを回って直線に入る際に勝馬が外に膨れ、同馬の進路に入ったという主張でした。審議は6分間続きましたが、最終的には入線通りで確定しています。パトロール・フィルムが何度も流されましたが、確かに接触寸前の際どいコース取りながら流れは致し方ないもの。判定は微妙といか言いようがありません。
ジョン・サドラー厩舎、エイベル・レズカノ騎乗のナンシー・フロム・ナイロビは、去年まで英国でミック・シャノン厩舎に所属していた5歳馬。英国ではニューマーケットのハンデ戦に勝鞍があり、12ハロンのリステッド戦でも2着したことがありました。今期はアメリカで走り、2月から3月にかけて一般レースで3連勝。これがG戦デビューでの初勝利となります。このあとは5月30日のゲイムリー・ステークスでGⅠ獲りに挑むとのことでした。

 

 

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