ヴァジラバドが7連勝
日本ではダービーに沸いた昨日の日曜日、フランスではサン=クルー競馬場でG戦が3鞍行われています。フランスもイギリスもダービーは今週末です。
この日は雨も降って馬場は good to soft 。最初のヴィコンテッス=ヴィジエ賞 Prix Vicomtesse Vigier (GⅡ、4歳上、3100メートル)、例年はロンシャン競馬場で行われていますが、今年は僅かに4頭立て。去年の仏セントレジャー(ロワイアル・オーク賞、GⅠ)を制した4歳馬ヴァジラバド Vazirabad が2対5の圧倒的1番人気。
仏セントレジャー4着で3番人気(23対5)のマナテー Manatee が逃げ、前走バルべヴィユ賞(GⅢ)勝馬で2番人気(16対5)のフライ・ウィズ・ミー Fly With Me が2番手を追走。これを後方でジックリ矯めていたヴァジラバドが残り300メートルで外から捉えると、フライ・ウィズ・ミーに4分の3馬身を付けてやや余裕の楽勝。1馬身4分の1差でマナテーが3着と、人気通りの着順でした。もう1頭、ドイツから参戦した長距離馬ヴァルツァータクト Walzertakt は後方のまま。
アガ・カーン所有、アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗のヴァジラバドは、去年3戦目でディエッペ競馬場の未勝利戦に勝利して以来は無傷の7連勝。仏セントレジャー、今期初戦のドバイ・ゴールド・カップ(GⅡ)を含めてG戦は5勝目となります。
続いてはクレオパトラ賞 Prix Cleopatre (GⅢ、3歳牝、2100メートル)。去年は5月中旬に行われていた仏オークス・トライアルですが、今年の仏オークスが6月の第3週に予定されていることもあるのでしょう、5月末にずれ込んでの施行となりました。
出走は5頭と少なく、これまでの実績もほとんど無い牝馬たち。今期トゥールーズでリステッド戦を含めて2連勝しているアップル・ベティー Apple Betty が9対10の1番人気。2倍を切るほどの実績ではありませんが、成長度が買われていたのでしょう。
スタートが良かったのは3番人気(11対2)のハイランズ・クィーン Highlands Queen でしたが、300メートルほど進んだ地点で2番人気(12対5)のガーゴティエール Gargotiere が交わしての逃げ。後方に控えたアップル・ベティーはスタンド側のグループから抜け出しましたが、一旦控えていたハイランズ・クィーンが残り1ハロンで抜け出すと独走、後方から追い込む4番人気(66対10)のマンゴー・タンゴ Mango Tango に5馬身の大差を付ける圧勝でした。1馬身4分の1差でアップル・ベティーは3着。
Y(ヨハン?)・グーロー Y. Gourraud 厩舎、ステファン・パスキエ騎乗のハイランズ・クィーンは、今年3歳になってからサン=クルーの2000メートル戦でデビューして2着、続く同じサン=クルーで2000メートルの未勝利戦に勝ったばかり。G戦もステークスも初挑戦での大差勝ちだけに、ヒョッとすると大物、という可能性も秘めているような気がします。仏オークスに参戦するものと思われますが、現地からは何の報告も伝わってきていません。
最後はコリダ賞 Prix Corrida (GⅡ、4歳上牝、2100メートル)。去年はトレーヴ Treve が始動したレースですが、今年はトレーヴほどの存在は無く、GⅠ戦には勝てないけれど入着までなら何とか、という馬11頭が揃いました。その中から6対4の1番人気に選ばれたのは、ヴェルメイユ賞(GⅠ)2着でロワイヤリュー賞(GⅡ)勝馬のカンダリーヤ Candarliya 。
スタートで先手を取ったのは6番人気(13対1)のビューティフル・ヒロイン Beautiful Heroine でしたが、100メートルほど行った所で最低人気(33対1)のアマゾーナ Amazona の逃げ。先行3頭を4番手で追走していた3番人気(76対10)のスピーディー・ボーディング Speedy Boarding が残り300メートルで抜け出すと、中団の内から伸びた2番人気(22対5)のシルジャンズ・サガ Siljan’s Saga に半馬身差を付けて快勝。2馬身半差で後方から追い込んだカンダリーヤが3着でした。
勝ったスピーディー・ボーディングは英国のジェームズ・ファーンショー厩舎が送り込んだ4歳馬で、ここまでずっとコンビを組んでいるフレデリック・ティリッキの騎乗。去年は2戦目でグッドウッドの10ハロン戦で初勝利を上げ、ニューバリーのリステッド戦(10ハロン)に連勝。そのあと愛オークスに挑戦して5着に健闘したものの、ヤーマスのリステッド戦(10ハロン)で1番人気に支持されながら2着。3歳シーズンはブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ・アンド・メアーズ(GⅠ)9着(12頭立て)でシーズンを終えていました。
今期は前走ヨークのミドルトン・ステークス(GⅡ)で4着、ここでG戦初勝利を飾りました。ファーンショー師によれば地元イギリスよりフランスの競馬向きということですが、来月下旬にカラー競馬場で行われるプリティー・ポリー・ステークス(GⅠ)を目指す予定とのことでした。
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