6連勝でエクリプスを制す

休み休み遡っている競馬日誌、一段落した所で次は7月2日のヨーロッパを振り返って行きます。土曜日はイギリスとフランスでG戦が行われましたが、先ず英国から。
この日はサンダウン競馬場とヘイドック競馬場がG戦の舞台でしたが、先に伝統のエクリプス・ステークスが行われたサンダウン競馬場から2鞍。

雨で馬場が soft に悪化した中、ザ・スプリント・ステークス The Sprint S (GⅢ、3歳上、5ハロン6ヤード)は1頭が取り消して12頭立て。4歳馬ながら未だ11戦とキャリアの浅いブランド Brando が2対1の1番人気。今期は3戦して全て1着か2着と安定した走りが信頼を集めたようです。
7番人気(12対1)のイタリア産馬ランスロット・デュ・ラック Lacelot Du Lac が飛ばしましたがレース半ばまで。尻を突く様に2番手でプレッシャーをかけていたブランドがここで先頭に立つと、重馬場で流石に最後はバテ気味だったものの、5頭が並んだ2番人気(8対1)の一角で中団から追い詰めるムシュー・ジョー Monsieur Joe を短頭差凌いでのG戦初勝利。3番手を進んでいた7番人気(12対1)のジェーンズ・メモリー Jane’s Memory が5馬身差で3着に入りました。

ケヴィン・ライアン厩舎、トム・エヴァンス騎乗のブランドは、2歳時は5戦して未勝利。3歳時も僅か3戦のみでしたが、ハミルトンの6ハロン戦とヘイドックのハンデ戦(6ハロン)に優勝。今期はニューマーケットで5ハロンのハンデ戦に勝つと、ヨークのハンデ戦でも2着し、前走ロイヤル・アスコットでは伝統あるハンデ戦のワーキンガム・ステークス(6ハロン)で2着。今回のステップ・アップを見事にクリアーして短距離路線のトップクラスを争うまでに成長してきました。
グッドウッドのキング・ジョージ・ステークスから手順を踏んでGⅠレースにというローテーションが妥当でしょうが、成長の速度が速いことから直接ナンソープ・ステークスに向かう芽も出てきたようです。オッズはレース前の20対1から14対1に上がりました。

続いてはエクリプス・ステークス Eclipse S (GⅠ、3歳上、1マイル2ハロン7ヤード)。7頭が参戦し、3歳馬が3頭、古馬は4頭。レヴェルが高いかも知れない3歳馬から、仏2000ギニーの覇者で前走セント・ジェームス・パレス・ステークスで2着惜敗のザ・グルカ The Gurkha が4対6の1番人気に支持されていました。同じロイヤル・アスコットのプリンス・オブ・ウェールズ・ステークスでエイシンヒカリをバッサリ切って捨てたマイ・ドリーム・ボート My Dream Boat は6対1で3頭が並ぶ2番人気の一角です。
同じく6対1のオッズで並ぶタイム・テスト Time Test のペースメーカーを務めるカウンターメジャー Countermeasure (150対1の最低人気)が飛ばしてレースを作り、これも2番人気の一角ホークビル Hawkbill が2番手で追走。4番手に付けていたタイム・テストがスパートすべく外に出した時に、これも進撃を開始し始めたザ・グルカの進路に入って本命馬はやや不利を被ります。これを尻目に残り2ハロンからスパートしたホークビルがスムーズに伸び、懸命に差を詰めるザ・グルカに半馬身を保ってのゴール。1馬身4分の3差でタイム・テストが3着に入り、マイ・ドリーム・ボートは後方から伸びるも5着と凡走に終わりました。終わって見れば3歳馬のワン・ツー・フィニッシュ、やはりクラシック世代のレヴェルは高いようです。

今期絶好調のゴドルフィンが所有するホークビルはチャールズ・アップルビー厩舎、ウイリアム・ビュイック騎乗。ビュイックは翌日からフランスで課せられた30日間という長い騎乗停止期間に入りますから、前半戦最後の大仕事と言った所か。
2歳のデビュー戦こそ9着に終わったホークビルでしたが、3戦目にリングフィールドで初勝利を挙げてからはトントン拍子に連勝を重ね、前走ロイヤル・アスコットのターセンテナリー・ステークス(GⅢ)でG戦初勝利。今回は3万ポンドの追加登録料を支払い、6連勝で頂点に立ちました。中長距離路線にまた新たなスター誕生です。

最後は、ヘイドック競馬場で行われたランカシャー・オークス Lancashire Oaks (GⅡ、3歳上牝、1マイル3ハロン200ヤード)。馬場は soft 、所により heavy と重く、3歳馬を含む4頭が取り消して6頭立て。結局オークスとは名ばかりで古馬のみが参戦する「オークス」となりました。G戦は初挑戦ながらハンデ戦、リステッド戦と一つづつ階段を上ってきた4歳馬のエンドレス・タイム Endless Time が11対4の1番人気。
ジョイント2番人気(4対1)のラヴィング・シングズ Loving Things が逃げ、エンドレス・タイムは3番手から。残り2ハロンから進路を右に取って馬群から出たエンドレス・タイム、後方から追い込む4番人気(11対2)のチリ産馬フリア・クルザーダ Furia Cruzada を半馬身抑えて人気に応えました。更に半馬身差で逃げたラヴィング・シングズが3着。

これまたゴドルフィンの所有、チャールズ・アップルビーが管理するエンドレス・タイムは、ジェームス・ドイル騎乗。今期はニューマーケットのハンデ戦、ナースのリステッド戦に続く3連勝でG戦初勝利。3連勝は2度目のことで、通算成績は8戦6勝。残る2戦は何れも着外というキャリアです。

 

 

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