嵐の後のサラトガ

土曜日は豪雨のためG戦2鞍が流れたサラトガ競馬場、日曜日は天候も回復したようで、予定通りG戦が一鞍行われました。サラトガ・スペシャル・ステークス Saratoga Special S (GⅡ、2歳、6.5ハロン)は fast の馬場に5頭立て。去年の勝馬がエクサジェレイター Exaggerator だったことで改めて注目されます。前走チャーチルでバシュフォード・マナー・ステークス(GⅢ)で2着したリクルーティング・レディー Recruiting Ready が2対5の断然1番人気。
1番枠から出た最低人気(23対1)のゲット・リットゥン・ゲット・ワイルド Get Lit N Get Wild が逃げ、リクルーティング・レディーは2番手追走。逃げ馬を交わして先頭で直線に入った本命馬でしたが、離れた最後方を進んでいた3番人気(9対1)のガンナヴェーラ Gunnavera が馬場の中央を通って強烈に追い込み、リクルーティング・レディーに1馬身差を付ける大逆転。15馬身4分の3の大差がついて4番人気(11対1)のティップ・タップ・タピザー Tip Tap Tapizar が3番手、更に3馬身4分の3差で2番人気(2対1)のソニック・ミュール Sonic Mule が4番手で入線しましたが、ティップ・タップ・タピザーに騎乗したリカルド・サンタナ騎手から2位入線のイラッド・オルティス騎手に対し進路妨害の異議申し立て。審議の結果、リクルーティング・レディーが第3コーナーの手前でティップ・タップ・タピザーに追突し、連鎖的にソニック・ミュールにも影響を及ぼしたと判定され、本命馬は2着から4着に降着となりました。勝ったガンナヴェーラには問題なく、2着にティップ・タップ・タピザー、3着にはソニック・ミュールが繰り上がって確定しています。
アントニオ・サノ厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のガンナヴェーラは、6月10日にガルフストリームでデビュー(5ハロン)して2着。続いて一般ステークス(バードオブザワイアー・ステークス)に出走して4着でしたが、3戦目に同じガルフストリームの未勝利戦(5.5ハロン)で初勝利を挙げていました。これで4戦2勝2着1回となります。

この日はもう一鞍、エメラルド・ダウンズ競馬場でもロングエイカーズ・マイル Longacres Mile (GⅢ、3歳上、8ハロン)が行われました。エメラルド・ダウンズはアメリカ北西部のワシントン州にある競馬場。ホワイト・ハウスのあるワシントンDCとは違います。 fast の馬場に11頭立て。今期3戦無敗のオー・ビー・ハーバー O B Harbor が6対5の1番人気。このレースを2連覇しているストライカー・ピーエイチディー Striler Phd も3連覇を目指して出走してきましたが、9対1の5番人気。
そのオー・ビー・ハーバーがスタートから先頭に立って逃げ切りを図りましたが、前半8番手に控えていた並んだ3番人気(5対1)のポイント・パイパー Point Piper が直線で鮮やかに抜け出すと、同じく同厩で3番人気のサイラス・アレキサンダー Cyrus Alexander に4馬身4分の3差を付ける圧勝です。4分の3馬身差でオー・ビー・ハーバーが3着に粘り、ストライカー・ピーエイチディーは5着まで。勝時計の1分32秒90はトラック・レコード更新となりました。ホーレンドルファー厩舎のワン・ツー・フィニッシュ。
ジェリー・ホーレンドルファー厩舎、マリオ・グティエレス騎乗のポイント・パイパーは、これがG戦初勝利となる6歳牡馬。去年5歳時に8月のデル・マーで一般ステークス(ハリー・F・ブルベイカー・ステークス)に勝って以来の勝星です。今期はサンタ・アニタ・ハンデ(GⅠ)で5着、オークローン・ハンデ(GⅡ)は3着、カリフォルニアン・ステークス(GⅡ)でも4着と健闘してきましたが、G戦勝ちには今一歩届きませんでした。

 

 

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