ヨークとサンダウン

水曜日からスタートしたヨーク競馬場のイボア開催も、昨日土曜日にフィナーレを迎えました。毎年最終日はサンダウンの夏開催とも重なりますので、今回は二つの競馬場からのレポートとなります。
昨日はイギリスだけでなくアイルランド、フランスでもG戦が行われており、正直なところ数の割には特に重要なG戦でもなく、モチベーションも上がらない状態。出来るだけ簡単に報告しておきます。

先ずヨーク競馬場の最終日はG戦2鞍。前日の雨もあって馬場は good とやや柔らかい状態。ストレンソール・ステークス Strensall S (GⅢ、3歳上、1マイル208ヤード)は10頭が出走し、前走ここヨークで10ハロンのリステッド戦に勝ったサー・マイケル・スタウト厩舎の3歳牝馬で、エリザベス女王の所有するディプロマ Diploma が11対4の1番人気に指示されていました。
3番人気(6対1)のカスタム・カット Custom Cut が逃げましたが、2番手で追走していた2番人気(5対1)のスコティッシュ Scottish が1ハロン地点から先頭を奪い、そのまま逃げ切り勝ち。後方から目の覚めるような末脚を発揮して1馬身4分の1差の2着に食い込んだのは、何と800日の休み明けという南アフリカから転厩してきたヨーカー Yorker という9番人気(14対1)の伏兵でした。逃げたカスタム・カットが首差で3着に粘り、人気のディプロマは8着敗退。

チャールズ・アップルビー厩舎、ウイリアム・ビュイック騎乗のスコティッシュは、ゴドルフィンの4歳せん馬。3歳時にはエア競馬場伝統のリステッド戦であるドゥーンサイド・カップ(10ハロン)に勝ち、ゴードン・ステークス(GⅢ)でも2着していた馬。今期はブリガディア・ジェラード・ステークス(GⅢ)3着のあとニューバリーのリステッド戦に勝ち、前走ローズ・オブ・ランカスター・ステークス(GⅢ)は2着していました。これがG戦初勝利で、このあとは豪州遠征を計画しているそうです。

ヨーク最後のG戦はジムクラック・ステークス Gimcrack S (GⅡ、2歳牡せん、6ハロン)。1頭が取り消して10頭立てとなり、前走リッチモンド・ステークス(GⅡ)でメーマス Mehmaas の首差2着したブルー・ポイント Blue Point が11対8の1番人気。
8番人気(33対1)のメディチ・バンシエール Medici Banchiere が逃げましたが、1ハロン地点で先頭に立った本命ブルー・ポイントがそのまま2着に3馬身差を付けての逃げ切り勝ち。後方から追い込んだ3番人気(11対2)のモカリス Mokarris が2着に入り、中団から伸びた6番人気(14対1)のザ・ラスト・ライオン The Last Lion が3着。

勝ったブルー・ポイントは、ストレンソール・ステークスと同じチャールズ・アップルビー厩舎、ウイリアム・ビュイック騎乗のゴドルフィン所有馬で、三者にとってG戦ダブル達成。ビュイック騎手は二つのG戦に挟まれたハンデ戦にも勝っており、ハットトリック完成です。
このレースは来年のギニー候補を探すというより、短距離チャンピオンのコモンウェルス・カップを目指すタイプの馬を見つけるGⅡ戦。ブルー・ポイントには2000ギニーに10対1のオッズが出されましたが、コモンウェルス・カップのオッズはレース前の12対1から6対1へと2倍に上がりました。ノッティンガムとドンカスターの6ハロン戦で連勝し、前走グッドウッドの2着からのG戦初勝利。このあとはミドル・パーク・ステークスでのGⅠ制覇が目標で、陣営も1マイルに付いては懐疑的な様子です。

続いて英国南部のサンダウン競馬場に行きましょう。こちらは北のヨークより馬場は湿っていて、good to soft 、所により good の中でG戦2鞍。アタランタ・ステークス Atalanta S (GⅢ、3歳上牝、1マイル14ヤード)は12頭立て、G戦は初挑戦ながらここまで4戦無敗の3歳馬パースエイシヴ Persuasive が6対4の1番人気。
9番人気(20対1)のブラック・チェリー Black Cherry が逃げましたが、前半は後方に付けていたパースエイシヴが徐々に順位を上げ、最後は2番人気(9対1)のブロンド・ミー Blonde Me に3馬身の大差を付ける圧勝です。後方から追い込んだ9番人気(20対1)のラッキー・ザ・ペインター Lucky The Painter が4分の3馬身差で3着。

ジョン・ゴスデン厩舎、ロバート・ハヴリン騎乗のパースエイシヴは、これで無傷の5戦5勝。前走はロイヤル・アスコットでリステッド戦のサンドリンガム・ハンデを勝っており、陣営ではGⅠランクまで行ける器として期待しています。

土曜日の英国競馬、最後はソラリオ・ステークス Solario S (GⅢ、2歳牡せん、7ハロン16ヤード)。2頭が取り消して10頭立てとなり、2戦2勝のサウス・シーズ South Seas が9対4の1番人気。
3番人気(8対1)のモンティチェロ Monticello が逃げ、スタートで出遅れたサウス・シーズが直ぐに中団に押し上げると、最後は最後方から追い込む最低人気(16対1)のサルーエン Salouen に2馬身4分の1差を付けて見事人気に応えました。1馬身差で、好ダッシュから一旦3番手に控えていた3番人気(8対1)のエクティラーン Eqtiraan が3着。

アンドリュー・ボールディング厩舎、オイジン・マーフィー騎乗のサウス・シーズは、ウインザーとヘイドックの6ハロン戦に連勝し、これで3戦3勝。秋に向けて更に飛躍が期待される1頭でしょう。

 

 

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