ドーヴィル夏開催のフィナーレ

8月28日の日曜日は、フランスのドーヴィル競馬場でも夏開催のフィナーレを迎えていました。最後のG戦は3鞍、good の馬場で行われています。G戦の前はポリトラック・コースが使われ、午後3時10分からは芝コースを使ってG戦が続きました。

最初のドーヴィル大賞典 Grand Prix de Deauville (GⅡ、3歳上、2500メートル)は僅か4頭立て。去年のパリ大賞典勝馬イラプト Erupt が7対10の1番人気で、去年の凱旋門賞5着からジャパン・カップ6着、今年もイスパハン賞9着、サン=クルー大賞典2着、キングジョージ5着とGⅠ戦ばかりを使われており、GⅡのここでは負けられません。
逃げたのは3番人気(39対10)のサヴォアール・ヴィーヴル Savoir Vivre で、イラプトは2番手でマーク。しかし長距離のスローベスに嵌めたか、サヴォアール・ヴィーヴルは3番手から追い込む2番人気(7対2)のシルジャンズ・サガ Siljan’s Saga を首差凌いでの逃げ切り勝ち。決め手に欠いたイラプトは1馬身半差の3着敗退。

勝ったサヴォアール・ヴィーヴルという馬は、ジャン=ピエール・カルヴァロ厩舎、マクシム・グィヨン騎乗の3歳馬で、前走ドイツ・ダービーに挑戦して頭差2着だった馬。負担重量に恵まれていたとはいえ、古馬相手に勝った3歳馬のレヴェルが高かったということでしょうか。

続いては、マロワ賞の残念レースたるカンセー賞 Prix Quincey (GⅢ、3歳上、1600メートル)。9頭が出走し、前走GⅠ戦のロッシルド賞で5着と健闘したシユーシェイク Siyoushake が19対10の1番人気。
直線の1マイル、多頭数とあって馬群は二手に分かれ、スタンド側を逃げたのは8番人気(18対1)のグランド・ヴィンテージ Grand Vintage 、遠い側を逃げたのが6番人気(11対1)のリテラチュア Litteraure 。しかし逃げ馬は何れも吸収され、スタンド側の後方2番手から追い込んだ本命シユーシェイクが遠い側を追い込んだ4番人気(81対10)のコアンティオーン Cointiorn に4分の3差を付けての差し切り勝ち。半馬身差で遠い側の中団を進んだ9番人気(19対1)のワイキカ Waikika が3着。

フレディー・ヘッド厩舎、ステファン・パスキエ騎乗のシユーシェイクは、去年フォンテンブローで7ハロンのリステッド戦に勝ってシーズンを終了。今期はミュゲ賞(GⅡ)4着から始動し、メゾン=ラフィットのリステッド戦で6着、そこからいきなりGⅠのロッシルド賞で5着して成長を証明した5歳馬です。馬名の通り父はシユーニ Siyouni 。

ドーヴィル夏開催の締め括りは、短距離のモトリー賞 Prix de Meautry (GⅢ、3歳上、1200メートル)。9頭が出走し、短距離に強い英国から遠征した4歳馬シルヴァー・レインボウ Silver Rainbow が12対5の1番人気。前走ナンソープ・ステークス(GⅠ)こそ19頭立ての14着だったものの、それまでハンデ戦とリステッド戦(ドーヴィル)に3連勝していたスプリンターです。
そのシルヴァー・レインボウがスタートから飛ばして逃げ切りを図りましたが、3番手を追走していた5番人気(66対10)のフィンスバリー・スクエア Finsbury Square が抜け、最後方から追い込む7番人気(11対1)のワレク Walec を短頭差抑えて優勝。2番手に付けていた6番人気(71対10)のロード・オブ・ザ・ランド Lord Of The Land が半馬身差で3着。

勝ったフィンスバリー・スクエアは、ファブリース・チャペット師が管理し、クリストフ・スミオンが騎乗した4歳せん馬。5月にサン・ジョルジュ賞(GⅢ)に勝った時にそれまでのプロフィールを紹介しましたが、その後はグロ・シェーヌ賞(GⅡ)で3着、リゾランジス賞(GⅢ)でも4着し、前走がナンソープでの着外でした。これまたシユーニが父で、この日のドーヴィルではシユーニ産駒のG戦ダブルとなっています。

 

 

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