2016ドンカスター・セントレジャー開催3日目

ドンカスター競馬場のレジャー開催二日目、実質三日目のG戦は3鞍。馬場は good です。

先ずセプター・ステークス Sceptre S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)は日本中央競馬会(JRA)がスポンサーになっていて、7頭が出走。人気は4頭が参戦している3歳馬に集中し、前走シティー・オブ・ヨーク・ステークス(GⅢ)に勝ったネモラリア Nemoralia が4対6の断然1番人気。
スタートして先ず飛び出したのは最低人気(100対1)のマギー・ピンク Maggie Pink でしたが、1ハロン地点からは2番人気(4対1)でやはり3歳馬のリュミエール Lumiere が先頭。しかしこれを捉えたのが、先行していた4番人気(14対1)のスパングルド Spangled 。後方から追い込む5番人気(14対1)のミーズ・アン・ローズ Mise En Rose を首差抑えて優勝。2馬身4分の1差でリュミエールが3着に粘りました。2・3着は3歳馬でしたが、人気のネモラリアは失望の最下位敗退に終わっています。

勝ったスパングルドはロジャー・ヴァリアン厩舎、アンドレア・アトゼニ騎乗の4歳馬で、これがG戦初勝利。前走ニューマーケットで7ハロンのハンデ戦に勝っての参戦、2連勝となりました。

この日二つ目のG戦は、2歳の短距離戦フライング・チルダース・ステークス Flying Childers S (GⅡ、2歳、5ハロン)。11頭が揃い、ここ2戦フランスに遠征してロベール・パパン(GⅡ)優勝、モルニー賞(GⅠ)は5着だったザ・マーヴェラス The Marvellous が3対1の1番人気。
このレースもセプター・ステークス同様、スタートから1ハロンまでは5番人気(11対2)のヤルタ Yalta が逃げ、1ハロンからは6番人気(12対1)のエキムー Equimou が逃げる展開。勝負は後方からの追い込み勢の争いとなり、2番人気(5対1)のアーダッド Ardad が4番人気(11対2)のザ・ラスト・ライオン The Last Lion と8番人気(25対1)のレジェンダリー・ランチ Legendary Lunch に4分の3差を付けて優勝。ザ・ラスト・ライオンとレジェンダリー・ランチは同着でした。人気のザ・マーヴェラスはセプター・ステークスの本命ネモラリア同様に失望の9着惨敗。

ジョン・ゴスデン厩舎、この日唯一の騎乗だったランフランコ・デットーリが勝利に導いたアーダッドは、ロイヤル・アスコットの5ハロン戦ウインザー・キャッスル・ステークス(リステッド戦)に勝ってデビューから2連勝した馬。その後ジュライ・ステークス(GⅡ)とジムクラック・ステークス(GⅡ)と2戦続けて6ハロンに挑みましたが、夫々9着、7着と凡走。6ハロンを諦めて5ハロンに戻ってのG戦初勝利となりました。
実績から見ても重馬場の5ハロンが適している同馬、今後も最短距離路線を歩んでいくことになるでしょう。

3日目最後のG戦は、第250回と銘打たれたドンカスター・カップ Doncaster Cup (GⅡ、3歳上、2マイル2ハロン)。世界中で現在まで続いているG戦で最も歴史が古いのがドンカスター・カップ。1766年に創設されたため第250回となっていますが(それにしても計算違いでしょ)、第1次世界大戦中の4年間と、第2次世界大戦中の7年間は施工されていませんから、実際には今回が240回目となります。この間同着が3回ありましたから、今年の勝馬を加えて243頭がドンカスター・カップ勝馬と言うことになります。おっと、少なくとも2連覇した馬が14頭はいますし、4勝したビースウィング Beeswing 、3勝しているダブル・トリガー Double Trigger を加減すれば、224頭かな。計算違いもありそうですから信じないように・・・。
かつてはロイヤル・アスコットのゴールド・カップ、グローリアス・グッドウッドで行われるグッドウッド・カップと共に長距離3冠として有名だったレースで、戦前まではダービー馬もセントレジャー馬も古馬としての最大目標でした。ボビンスキーのファミリー・テーブルも長距離三冠馬を全て記載して敬意を表していますが、昨今は長距離が嫌われて現在はGⅡ戦。それでも私はこの三冠馬を全て私家版ファミリー・テーブルに掲載して管理している次第です。余計なことを書いてしまいました。

今年はアスコット・ゴールド・カップの2着馬ミズー Mizzou が取り消して8頭立て。前走ロンスデール・カップ(GⅡ)に勝ったクエスト・フォー・モア Quest For More が5対2の1番人気。
そのクエスト・フォー・モアがスタートから積極的に前に出、逃げ切る構え。残り2ハロンでは全ての馬が懸命に追いましたが、伸びたのは2番手に付けていた2番人気(10対3)のシェイクザイードロード Sheikhzayedroad だけ。最後は前2頭の首の上げ下げとなりましたが、丁度ゴール板で首を下げたシェイクザイードロードがハナ差でクエスト・フォー・モアを捉えていました。2馬身4分の1差で後方から伸びた4番人気(6対1)の3歳馬サン・ミシェル St Michel が3着。

デヴィッド・シムコック厩舎、マーチン・ハーレイ騎乗のシェイクザイードロードは、今年の3冠に全て出走、アスコット・ゴールド・カップもグッドウッド・カップも共に3着で、もしポイント制があれば文句なく長距離チャンピオンに輝いているでしょう。
G戦は一昨年5歳時に制したヨーク・ステークス(GⅡ)に続く2勝目で、その年はカナダの2400メートルGⅠ戦にも勝っており、去年はカナディアン・インターナショル(カナダGⅠ)で3着。長距離のG戦は初制覇となる7歳せん馬です。今年はもう一戦、アスコットかカナダで走り、来年もドバイからアスコット・ゴールド・カップというローテーションを歩む由。今度こそ長距離GⅠ奪取と行きたいところでしょう。

 

 

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