ガン・ランナー、念願のGⅠ初制覇

11月25日、金曜日のアメリカ競馬はケンタッキーとハリウッドでG戦3鞍だけでしたが、一つは伝統あるGⅠ戦、もう一つも数年前まではGⅠ戦だった重要なレースです。

チャーチル・ダウンズ競馬場の秋競馬は残す所1日、フィナーレ前日にはG戦2鞍が組まれており、先ずは80年代にチャーチルで大活躍した名牝に因んだミセス・リヴィーア・ステークス Mrs. Revere S (芝GⅡ、3歳牝、8.5ハロン)。雨で good と渋った馬場に4頭が取り消しての11頭立て。前走キーンランドのクィーン・エリザベス・チャレンジ・カップ・ステークス(芝GⅠ)で2・3着した2頭がここでも再戦、今回は3着だったホークスモア Hawksmoor が9対5の1番人気に支持されていました。ドイツ1000ギニー(GⅡ)に勝ってアメリカに転戦してきた1頭です。
事実上最内枠となった3番枠スタートの5番人気(8対1)カレン Caren が逃げ、ホークスモアは5番手を追走。しかし勝負は後方待機組の争いとなり、前半は後方4番手に付けていた3番人気(4対1)のリンダ Linda と、その一つ後ろを進んでいた2番人気(2対1)でQEチャレンジ2着馬ハーモナイズ Harmonize が並んで抜け出しての一騎打ち。最後は5ポンドの斤量差が響いたか、118ポンドのリンダが123ポンドのハーモナイズに2馬身半差を付けていました。5馬身4分の1の大差が付いて、これまた後方2番手から伸びた10番人気(89対1)の伏兵スイート・タッパー Sweet Tapper が3着に食い込み、ホークスモアは6着敗退。
イアン・ウイルケス厩舎、ブライアン・ジョセフ・ヘルナンデス騎乗のコンビネーションは、前日リヴァー・シティー・ハンデを制したサッチャー・ストリート Thatcher Street と同じ。リンダは3歳デビュー、5戦目にエリス・パークで初勝利を挙げ、続くケンタッキー・ダウンズのアローワンス戦に連勝。前走キーンランドのヴァレー・ヴュー・ステークス(芝GⅢ)でG戦にデビューして2着していました。

そしてクラーク・ハンデキャップ Clark H (GⅠ、3歳上、9ハロン)。チャーチル・ダウンズデはケンタッキー・ダービーと並んで歴史あるGⅠ戦で、秋開催の目玉でもあります。日本で例えれば天皇賞に相当すると言っても過言じゃありません。今年は fast の馬場に10頭が参戦し、GⅠ古馬を抑えて2対1の1番人気に支持されたのは、ダービー3着の3歳馬ガン・ランナー Gun Runner でした。ここまでGⅡとGⅢに3勝していますが、ここで念願のGⅠ制覇を目指します。
古馬の雄で2番人気(5対2)、最大のライヴァルと思われていたノーブル・バード Noble Bird がスタートをミスし後手を踏みます。一方、人気のガン・ランナーは1番枠スタートから先手を取っての逃げ。ノーブル・バードがやや強引に2番手まで追い上げるのを横目に、楽な手応えで直線に入ると、3番手から追い縋る7番人気(46対1)の伏兵ブレイキング・ラッキー Breaking Lucky に2馬身4分の3差を付ける逃げ切り勝ちで嬉しいGⅠ戦初制覇です。3馬身半差の3着には7番手から伸びた4番人気(9対2)のシャーマン・ゴースト Shaman Ghost が入り、ノーブル・バードは無理が祟って7着凡走。去年の勝馬で5番人気(9対1)だったエフィネックス Effinex は6着、更に一昨年の勝馬で3番人気(3対1)のホッパチュニティー Hoppertunity も4着に終わりました。
スティーヴン・アスムッセン厩舎、フロラン・ジェルー騎乗のガン・ランナーは、ダービー前哨戦としてフェア・グラウンズでリズン・スター・ステークスとルイジアナ・ダービーと二つのGⅡ戦に連勝。ダービー3着の後はチャーチルでマット・ウイン・ステークス(GⅢ)に勝ち、続いてハスケル5着、トラヴァース3着、ペンシルヴァニア・ダービー(GⅡ)2着、BCダート・マイルも2着とGⅠ戦でのニアミスが続いていました。リンダの母クワイエット・ジャイアント Quiet Giant は、2004年にクラーク・ハンデを制したセント・ライアム Saint Liam の妹に当たり、叔父と甥でのクラーク制覇です。

金曜のもう一庫は、デル・マー競馬場のハリウッド・ターフ・カップ Hollywood Turf Cup (芝GⅡ、3歳上、12ハロン)。冒頭で紹介したように、2011年まではハリウッド競馬場で行われたGⅠ戦でした。前日のレッド・カーペットの牡馬版でもあります。firm の馬場に1頭が取り消して6頭立て。前々走サンタ・アニタのジョン・ヘンリー・ターフ・チャンピオンシップ(芝GⅡ)に勝ち、前走BCターフは5着だったアシュレイラヴズシュガー Ashleyluvssugar が4対5の1番人気。
4番人気(6対1)のロイヤル・アルバート・ホール Royal Albert Hall が逃げ、6頭が一列に並ぶ淡々とした流れ。これを2番手でマークした本命アシュレイラヴズシュガーが外、更に外から4番手を追走していた2番人気(2対1)のテキサス・ライアノ Texas Ryano が並び掛け、3頭が並んで直線。ここから抜け出したのが一番外を衝いたテキサス・ライアノで、本命馬に3馬身4分の1差を付ける完勝でした。更に1馬身4分の1差で、3番手を進んだ3番人気(6対1)のフラムボヤント Flamboyant が3着。
カーラ・ゲインズ厩舎、ジョセフ・タラモ騎乗のテキサス・ライアノは、去年9月に一般ステークス(キング・ぺリノア・ステークス)に勝って以来の勝ち星で、その間8連敗中だった5歳牡馬。去年のこのレースは8着、前走BCターフは6着でした。直線で外に馬がいるのを嫌うタイプだ佐生で、今回はタラモの好騎乗で大外を衝いたのが正解だったでしょう。

 

 

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