オバマ政権下では最後のG戦
1月16日は、マーチン・ルーサー・キング牧師誕生日で祝日のアメリカ。20日に新しい大統領の就任式を控え、現オバマ大統領の下では最後となるG戦がニューヨークとカリフォルニアで一鞍づつ行われました。
ニューヨークのアケダクト競馬場では、東海岸の短距離戦の幕開けとなるトボガン・ステークス Toboggan S (GⅢ、4歳上、6ハロン)。去年は大雪のため二度も延期されたあのレースです。今年は雪も無く fast の馬場、1頭が取り消して6頭立てとなり、去年10月に同じ6ハロンのボールド・ルーラー・ハンデ(GⅢ)を制して堅実なストールウォーキン・デュード Stallwalkin’ Dude が4対5の1番人気。死角があるとすれば、123ポンドのトップ・ハンデを背負うことでしょう。
スタートは一斉、その中から2番人気(5対2)のグリーン・グラット Green Gratto と3番人気(5対1)のストーリー・トゥー・テル Story to Tell が飛び出してのハナ争い。2頭のせめぎ合いはゴール直前まで続きましたが、終始先手を取ったグリーン・グラットが最後まで逃げ粘り、3番手から追い上げた5番人気(13対1)オール・スター・レッド All Star Red の猛追を頭差凌いでの逃げ切り勝ち。5番手から追い上げた本命ストールウォーキン・デュードは首差3着に終わりました。道中前が塞がる不利もありましたが、やはり勝馬との5ポンド差が響いたと思います。
ガストン・グラント厩舎、ケンドリック・カームーシュ騎乗のグリーン・グラットは、2015年のフォール・ハイウエイト・ハンデ(GⅢ)に続く2つ目のG戦タイトルとなる7歳牡馬。勝鞍も去年7月、デラウエアの一般ステークス(ホックシン・ステークス)以来となりました。ここ4戦は何れもストールウォーキン・デュードの後塵を拝しており、前走アケダクトの一般ステークス(グレイヴセンド・ステークス)でもストールウォーキン・デュードの2着。因みに去年のトボガンは3着でした。陣営の目標はあくまでもGⅠ制覇で、4月のカーター・ハンデが最終目標となるでしょう。
一方、カリフォルニアのサンタ・アニタ競馬場で行われたのがメガヘルツ・ステークス Megahertz S (芝GⅢ、4歳上牝、8ハロン)。去年からGⅢに格上げになったばかりで、レース自体も5回目と、オバマ時代に創設されたレースでもあります。good の芝コースに7頭立て。G戦は未勝利ながら、ここ3戦は何れもGⅠ戦かGⅡ戦、前走メイトリアーク・ステークス(芝GⅠ)は7着ながら勝馬とは4馬身差だったティズ・ア・キス Tiz a Kiss が2対1で1番人気。
最低人気(30対1)のポスター・ガール Poster Girl が逃げ、ティズ・ア・キスは後方2番手から。しかし今回は本命馬の動きはさえず、後方3番手で待機した3番人気(3対1)のプライズ・イクジビット Prize Exhibit が第3コーナーで4番手に上がり、直線では外に出して前3頭を一気に抜き去ると、3番手を進んだ6番人気(10対1)のジェレミーズ・レガシー Jeremy’s Legacy に1馬身4分の1差を付ける快勝でした。2番手を追走していた2番人気(3対1)のイントゥー・ザ・ミスティック Into The Mystic が頭差で3着に入り、人気のティズ・ア・キスは7着最下位に敗退。
ジェームス・キャシディー厩舎、絶好調マイク・スミス騎乗のプライズ・イクジビットは、終わって見れば出走馬中唯一のG戦勝馬で、これが4つ目のG戦タイトル。1番人気にならなかったのは、丁度1年前にモンロヴィア・ステークス(芝GⅢ)に勝ってから10連敗中だったため。前走メイトリアーク・ステークスでは、今回の本命馬ティズ・ア・キスに次ぐ8着でしたから、僅差とは言え3番人気は美味しい馬券だったかも。
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