女傑、シーズン初戦を快勝

5月1日は月曜日ですが、世界的に言えばメーデー。ヨーロッパでもフランスとアイルランドは祝日で、賑々しくG戦が行われました。尤もアイルランドはメーデーの祝日ではなく、5月・6月・8月・10月の第1月曜日はそもそも祝日と定められていて、世界的に働き方改革が進んでいるのでしょう。
冗談はさておき、昨日はナース競馬場で注目のG戦がありました。

それがムーアスブリッジ・ステークス Mooresbridge S (GⅡ、4歳上、1マイル2ハロン)。去年は5月2日にカラー競馬場で行われていましたが、今年はカラーが工事中のためナースに移し、しかも今年からはGⅡに格上げされています。最近は前年の3歳チャンピオンがここから始動するケースが多く、例えば去年の勝馬ファウンド Found は、その後凱旋門賞馬になったのは記憶に新しい所。
ということで、今年は good to firm の馬場に1頭が発熱して取り消し、僅か4頭立て。それでも世界の目が集まったのは、去年のカルチェ年度代表馬でGⅠ戦7勝の女傑マインディング Minding がシーズン初戦をここで迎えたからに他なりません。レース前にオブライエン師が“シーズン初戦なので凡走する可能性もあるゾ”と警告していたにも拘らず、1対3の圧倒的1番人気。久々でも格が違う、ということで単なる本命とは違うという評価でしょう。

先ず2番人気(6対1)のムーンライト・マジック Moonlight Magic がハナに立ちましたが、1ハロンほど行ったところで大本命を託されたライアン・ムーアが“よし、行っちゃえ”と判断、直ぐに逃げ作戦に切り替えます。これで目が覚めたかマインディング、そのまま危なげ無い走りで独走、最後は抑える余裕でムーンライト・マジックに3馬身半差を付けて女王の貫禄を見せ付けました。3番手を追走していた4番人気(12対1)のブレンダン・ブラッカン Brendan Brackan がそのまま2馬身差の3着。
改めてマインディングに付いて書き加えることも無いでしょう。去年のGⅠ戦5勝(2歳時はGⅠ戦2勝)は1マイルから1マイル半まで。今後の予定は馬の状態を見てからということでしょうが、1マイルならロッキンジ・ステークスに、10ハロンならトトソルズ・ゴールド・カップに向かうでしょうが、春の目標はどうやらロイヤル・アスコットのプリンス・オブ・ウェールズ・ステークスに落ち着きそう。秋はまた別の話しですが、ファウンドの例に倣って凱旋門賞という可能性もあるかも。
GⅡに格上げされたことを祝すように、ムーアスブリッジ・ステークス9勝目を挙げたエイダン・オブライエン師の決断が待たれます。

アイルランドのもう一つのG戦は、アサシ・ステークス Athasi S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。これも去年は5月2日のカラー競馬場でしたが、今年はナース。3歳馬にとってはクラシック・トライアルの一つですが、古馬勢にとっても短距離から1マイルへの試金石。2頭の取り消しがあって6頭立てとなり、3歳馬は2頭が挑戦してきました。
人気は3歳と古馬から1頭づつが6対4と1番人気を分け合い、3歳馬では前走レバーズタウンの1000ギニー・トライアル(GⅢ)で3着したリハーナ Rehana が、古馬ではG戦初挑戦ながら前走レバーズタウンのリステッド戦(ヘリテッジ・ステークス)を快勝したローズ・ド・ピエール Rose de Pierre が支持を集めています。

レースも最初から最後まで2頭の勝負となり、先ずローズ・ド・ピエールが先手を取り、1ハロン地点からはリハーナが交わしての逃げ。この展開がゴールまで続き、最後はリハーナがローズ・ド・ピエールに2馬身4分の3差を付けて事実上の逃げ切り勝ちです。やはり3番手を進んだ最低番人気(20対1)のサマー・アイコン Summer Icon が1馬身4分の1差で3着。この日のG戦はどちらも同じようなレース内容でした。
勝ったリハーナはミック・ハルフォード厩舎、シェーン・フォリー騎乗、オーナーはアガ・カーンで、2歳時2戦目にカラーで初勝利。そのあとデビュタント・ステークス(GⅡ)4着、モイグレア・スタッド(GⅠ)でも4着とそれなれの結果を残し、シーズン2戦目でG戦初勝利となりました。今日の様な堅めの馬場を得意とし、当日の馬場状態が合えば愛1000ギニーに使いたい意向のようです。

 

 

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