ヨーロッパ平場シーズン、最初のGⅠ戦

フランスも月曜日は祝日、競馬の世界でもG戦が2鞍行われています。こちらは紛れもないメーデーの祝日ですが、大統領選で加熱している一般の人々には競馬は関係ないかもしれません。

そのG戦はパリ郊外のサン=クルー競馬場で行われ、馬場は good to soft 。先に行われたミュゲ賞 Prix du Muguet (GⅡ、4歳上、1600メートル)は、本来サン=クルーで行われるマイル戦。10頭が出走し、前走同じサン=クルー、同じ1600メートルのエドモン・ブラン賞(GⅢ)を快勝したジミー・トゥー・タイムス Jimmy Two Times が7対10の断然1番人気。
英国から挑戦した最低人気(43対10)のトスカニーニ Toscanini が逃げましたが、中団の4番手に付けたジミー・トゥー・タイムスが残り300メートルで先頭に立つと、中団から伸びる3番人気(97対10)のクールカン Kourkan に半馬身差を付けて見事人気に応えました。後方3番手から追い込んだ8番人気(181対10)のアシェレット Usherette が1馬身4分の1差で3着。

エドモン・ブラン賞でも詳述したように、ジミー・トゥー・タイムスはゴドルフィンの所有馬で、アンドレ・ファーブル厩舎。ヴィンセント・シャミノーが騎乗していました。これまで1マイルの壁があった同馬ですが、これでマイルのG戦に2連勝。特にこの日は重馬場で快勝したこともあって、GⅠ獲りに弾みが付いたと言えそうです。ロイヤル・アスコットのクィーン・アン・ステークスが当面の目標でしょう。

続いては、今シーズンのヨーロッパで最初に行われるGⅠ戦のガネー賞 Prix Ganay (GⅠ、4歳上、2100メートル)。本来はロンシャン競馬場が舞台ですが、2年続けてサン=クルーでの開催となります。1頭が取り消して7頭立てですが、GⅠ戦に相応しく豪華なメンバーが揃いました。
曰く、サン=クルー大賞典に勝って去年のガネー2着のシルヴァーウェイヴ Silverwave 、エクリプス賞を制したホークビル Hawkbill 、ジャパン・カップにも参戦したGⅠ2勝のイラプト Erupt 、イタリアのGⅠ戦に勝ったドイツのポチョムキン Potemkin 、仏ダービー2着で名牝ザルカヴァ Zarkava の仔ザラク Zarak 、ドイツのGⅠ馬ギニョール Guignol といった面々。しかし6対5の1番人気に支持されたのは、未だGⅠには届いていないクロース・オブ・スターズ Cloth of Stars 。今期G戦に2連勝して、GⅠ奪取を目前にした成長著しい4歳馬です。

最も人気のない(29対1)ギニョールが逃げましたが、先行から内で馬群を割る様に残り300メートルでクロース・オブ・スターズが抜け出します。ここに後方から伸びたのが2番人気(12対5)のザラク、外で前が塞がる不利がありながら、一旦隙間を見つけると鋭く抜け出し、本命に短首差まで迫った所がゴールでした。4分の3馬身差で、後方から伸びたシルヴァーウェイヴ(84対10、4番人気)が3着に入り、以下4着イラプト、5着ホークビルの順。
今期G戦3連勝で、念願のGⅠ初制覇を達成したクロース・オブ・スターズは、度々紹介しているようにアンドレ・ファーブル師の管理馬で、ミケール・バルザロナ騎乗。もちろんゴドルフィンの所有で、ゴドルフィン/ファーブルのコンビはこの日のG戦ダブルとなりました。
ファーブル師の見解では、クロース・オブ・スターズは2000メートルはもちろん、2400メートルでも問題ないとのこと。問題は、2400メートル挑戦が春なのか、秋まで待つかということ。春ならコロネーション・カップからキングジョージとなるでしょうし、秋ならもちろん凱旋門賞。この日アイルランドで順調にスタートを切ったマインディングとの対決はあるのか!!

 

 

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