ダービー以外のチャーチル・ダウンズG戦

取り敢えずケンタッキー・ダービーを片付けたので、これからゆっくりと他のG戦を回顧していきましょう。とは言ってもレース数が多いので、今回は結果だけを極く簡単に掻い摘んで書くことにします。詳しいレポートが読みたい方は、各自ブラッドホース電子版などで検索してくださいな。

5月6日にチャーチル・ダウンズ競馬場で行われたG戦は全部で7鞍。全てダービーの前座で、レース順に取り上げていきます。
第6レースのフマーナ・ディスタッフ・ステークス Humana Distaff S (GⅠ、4歳上牝、7ハロン)はいきなりのGⅠ戦。この時点で馬場発表は sloppy で、7頭が出走し、去年のBCフィリー・アンド・メア・スプリントの覇者ファイネスト・シティー Finest City が3対2の1番人気。
最初は最低人気(27対1)のスーパー・ヒューモア Super Humor が逃げましたが、途中で交わして先頭に立った3番人気(2対1)のポールアズシルヴァーライニング Paulassilverling がそのまま逃げ切り勝ち。3番手を追走した本命ファイネスト・シティーが首差で2着に追い上げ、4番手追走の2番人気(2対1)カリーナ・ミア Carina Mia が4分の3馬身差で3着。
チャド・ブラウン厩舎、ホセ・オルティス騎乗のポールアズシルヴァーライニングは、去年12月から3連勝で、G戦は6勝目となる5歳馬。前走もGⅠのマディソン・ステークスで、GⅠ戦も2連勝となりました。

第7レースは、good の芝コースで行われたチャーチル・ディスタッフ・ターフ・マイル Chrchill Distaff Turf Mile (芝GⅡ、4歳上牝、8ハロン)。1頭が取り消して7頭立てとなり、昨シーズンをメイトリアーク・ステークス(芝GⅠ)2着で締め括ったロカ・ロホ Roca Rojo がイーヴンの1番人気。
2番人気(3対1)ビリーヴ・イン・バーティー Believe in Bertie の逃げを2番手で追走したロカ・ロホが、逃げ馬との競り合いを頭差制して人気に応えました。5番手から追い込んだ3番人気(3対1)のリンダ Linda が3馬身4分の1差で3着。
前のレースに続いてチャド・ブラウン厩舎、こちらはフロラン・ジェルーが騎乗したロカ・ロホは、去年10月にベルモントでアセーニア・ステークス(芝GⅢ)を制したのに続き、G戦2勝目となる5歳馬です。

第8レースはパット・デイ・マイル Pat Day Mile (GⅢ、3歳、8ハロン)。このレースから馬場発表が wet fast に変わりました。1頭が取り消して12頭立て。前走キーンランドのレキシントン・ステークス(GⅢ)で猛然と追い込んだものの3着惜敗のノー・ドージング No Dozing が2対1の1番人気。
同じオッズで2番人気のアンコンテステッド Uncontested が逃げ、ノー・ドージングは今回も後ろから3番手の追い込み策。しかし今回は2番手を進んだ4番人気(8対1)のワイルド・ショット Wild Shot が前を捉えると、追い込むノー・ドージングに4馬身の大差を付ける楽勝でした。1馬身半差で逃げたアンコンテステッドが3着。
ジョージ・アーノルド厩舎、コーリー・ラヌリー騎乗のワイルド・ショットは、2歳時2戦目での初勝利以来となる二つ目の勝鞍。その間タンパ・ベイ・ダービー(GⅡ)3着、ブルー・グラス・ステークス(GⅡ)は7着でダービー出走が叶わなかった1頭です。

第9レースのアメリカン・ターフ・ステークス American Turf S (芝GⅡ、3歳、8.5ハロン)は、前日のレースにダブル登録していた1頭が取り消しての10頭立て。何と言っても去年のBCジュヴェナイル・ターフの覇者オスカー・パフォーマンス Oscar Performance が、前走トランシルヴァニア・ステークス(芝GⅢ)は5着だったものの2対1で1番人気。
そのオスカー・パフォーマンスがスタートから飛ばして逃げ切る作戦でしたが、6番手から追い込んだ7番人気(15対1)のアークロウ Arklow が同じく後方2番手から猛追する2番人気(3対1)のグッド・サマリタン Good samaritan に1馬身差を付ける波乱。頭差でやはり7番手から伸びた3番人気(5対1)のビッグ・スコア Big Score が3着に入り、オスカー・パフォーマンスは10着最下位と大敗。体調が整はないのか、馬場が合わないのか、人気を裏切る結果となってしまいました。
ブラッド・コックス厩舎、マイク・スミス騎乗のアークロウは、前走キーンランドで未勝利を脱してばかり。それでも前々走では果敢にリズン・スター・ステークス(GⅡ)に挑戦して8着でしたから、陣営は秘められた能力と芝適性とを見抜いていたのかもしれません。

第10レースはチャーチル・ダウンズ・ステークス Churchill Downs S (GⅡ、4歳上、7ハロン)。14頭と頭数が揃い、前走トリプル・ベンド・ステークス(GⅠ)2着の実績があるマゾキスティック Masochistic が2対1の1番人気。
ここも本命のマゾキスティックが逃げましたが、3番手を追走した6番人気(13対1)のリムジン・リベラル Limousine Liberal が抜け、11番手から急襲する2番人気(2対1)オウサム・スルー Awesome Slew との叩き合いを頭差で制するサプライズ。やはり8番手から追い込んだ7番人気(20対1)のブルーグラス・シンガー Bluegrass Singer が4分の3馬身差の3着に入り、マゾキスティックは13着惨敗。2レース続けて本命馬が大負けする波乱となりました。

そして第11レース、ダービーの直前に行われたのがターフ・クラシック・ステークス Turf Classic S (芝GⅠ、4歳上、9ハロン)です。1頭が取り消して11頭立てとなり、去年のセクレタリアート・ステークス(GⅠ)勝馬のビーチ・パトロール Beach Patrol が3対1の1番人気。
ここも本命馬の逃げで始まり、直線半ばでは逃げ切ったかに見えましたが、前半は最後方に控えていた2番人気(3対1)のデイヴィジデロ Divisidero が外から鋭く伸び、ゴール直前でビーチ・パトロールを半馬身捉えての鮮やかな差し切り勝ちです。3着も後方2番手から追い込んだ6番人気(10対1)のオスカー・ノミネイティッド Oscar Nominated が2馬身半差の3着。
ウイリアム・ブラッドリー厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のデイヴィジデロは去年のこのレースの勝馬で、見事2連覇達成。去年の勝利の後はマンハッタン・ステークス(芝GⅠ)5着、ガルフストリーム・パーク・ターフ・ハンデ(芝GⅠ)6着などを経、前走キーンランドのアローワンス戦が2着でした。1年振りの勝利。

 

 

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