サンダウンの熱い夜

つい先日シーズンが本格的にスタートしたばかりと思っていた英国競馬、気が付けば夏至まで1か月を切り、5月25日にはサンダウンでイヴニング開催が行われました。夕方7時ごろから競馬が始まりますが、大井競馬場のナイターとは違って未だ太陽が沈まない英国の夏、すっかりレジャー気分のウィーク・デイ競馬ではあります。
この日はイギリスも気温が上昇したようで、馬場は good to firm と夏競馬を思わせるよう。熱いG戦2鞍を見て行きましょう。

ダービー前のサンダウン競馬場、先ずヘンリーⅡ世ステークス Henry Ⅱ S (GⅢ、4歳上、2マイル50ヤード)は長距離グランドスラムに次ぐ位置づけの一戦で、7頭立て。夏馬でグッドウッド・カップを2連覇中のビッグ・オレンジ Big Orange が4対5の断然1番人気。
得意の馬場状態とあって最初から積極的に飛ばしたビッグ・オレンジ、3ハロン地点から2番手に押し上げた3番人気(7対1)のハイアー・パワー Higher Power に5馬身の大差を付ける圧巻の逃げ切り勝ちでした。5番手から伸びた4番人気(17対2)のシー・イズ・ノー・レディー She is No Lady が2馬身差で3着に入り、一昨年の勝馬で復調の兆しが見えないヴァン・ド・フォース Vent De Force は4着に終わっています。

マイケル・ベル師が管理する6歳せん馬ビッグ・オレンジはストライドの大きい大型馬で、夏の乾いた馬場でこそ能力を発揮するタイプ。ジェイミー・スペンサーから引き継いで今回が3回目のコンビとなるランフランコ・デットーリもゴールでは拳を突き上げ、観客の熱い声援にこたえて得意のフライング・ディスマウントを披露したようです。
去年の秋から豪州、北欧、香港、ドバイと転戦し、今期初戦のドバイGⅡ戦はデットーリで4着。いつもより早く訪れた夏競馬を快勝し、次はロイヤル・アスコットでゴールド・カップ獲りに挑みます。去年は雨で馬場が悪化したため回避しましたが、今年も馬場状態がカギ。オッズはレース前の20対1から10対1に上がりました。

サンダウンのもう一鞍は ブリガディア・ジェラード・ステークス Brigadier Gerard S (GⅢ、4歳上、1マイル1ハロン209ヤード)。当初8頭の登録がありましたが、ロイド・ウェッバー卿の所有馬ソ・ミ・ダーが取り消して7頭立て。出走すれば断然1番人気になるソ・ミ・ダーですが、前回のヨーク、ミドルトン・ステークスは馬場が悪化したため取り消し、今回はレース前の血液検査の結果が良くなかったとのことでの回避。2戦続けてのレース前取り消しとなってしまいました。
確たる中心馬が不在となる中で、昨シーズンをウインザーのウインター・ヒル・ステークス(GⅢ)優勝で締め括ったチェーン・オブ・ディジーズ Chain Of Daisies が押し出されるように11対4の1番人気に上がっています。

そのチェーン・オブ・ディジーズが逃げ切り策を図ってレースを引っ張りましたが、勝負所で早くも一杯。5番手を進んでいた5番人気(8対)のオートクラティック Autocratic が先行する馬と後退する馬との間で行き場を失いながらも、何とか間隙を縫って抜け出し、後方から追い込む2番人気(4対1)アルゴメーター Algometer を1馬身4分の1差抑えて優勝。2番手を追走していた同じ2番人気のスティール・オブ・マドリッド Steel Of Madrid が1馬身差の3着に入りました。人気のチェーン・オブ・ディジーズはバテて6着敗退。
勝ったオートクラティックはサー・マイケル・スタウト厩舎、ライアン・ムーア騎乗の4歳馬。前走、今期初戦でニューマーケットのアール・オブ・セフトン・ステークス(GⅢ)でG戦に初挑戦しましたが、期待を裏切って7頭立て6着と敗退し、今回は人気にはなりませんでした。その前走は今回3着のスティール・オブ・マドリッドがかっていたのですから、やはり前回は何かの原因があって能力以下の競馬に終わったのでしょう。これからの巻き返しが期待できます。

スタウト師はこのレース、2011年のワークフォース Workforce 、2012年のカールトン・ハウス Carlton House に続く3勝目。この2勝は何れもムーアが騎乗しており、ライアンは去年も別厩舎のタイム・テスト Time Test で制していますから、ムーアにとっては2年連続4勝目となります。
2年連続と言えば、オートクラティックの父はタイム・テストと同じデュバウィ Dubawi 。デュバウィ産駒の2連覇となったブリガディア・ジェラード・ステークスでもありました。

 

 

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