名牝ザルカヴァ、母としてもGⅠ馬に

さて昨日の日曜日、フランスのサン=クルー競馬場でもG戦が2鞍組まれていました。馬場は good to soft 、先に行われたのはGⅠ戦でした。

そのGⅠ戦、サン=クルー大賞典 Grand Prix de Saint-Cloud (GⅠ、4歳上、2400メートル)は10頭立てとなり、去年の勝馬で前走シャンティー大賞典(GⅡ)も制したシルヴァーウェイヴ Silverwave が33対10の1番人気に支持されています。
英国からは3頭が遠征し、その1頭で6番人気(74対10)のロビン・オブ・ナヴァン Robin Of Navan が逃げ、これを先行していたシルヴァーウェイヴが残り2ハロンで先頭に立ち、連覇達成かと思われましたが、最後方に控えていた2番人気(49対10)のザラク Zarak が外に持ち出すと鬼脚を発揮、本命馬を4分の3馬身差し切っての優勝です。中団から伸びた7番人気(9対1)のアルマンド Armande が1馬身4分の1差で3着。

アラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗のザラクは、馬名から想像できるようにアガ・カーンが所有する4歳牡馬で、あの名牝ザルカヴァ Zarkava を母に持つ期待馬。母は牝馬4冠とも言えるマルセル・ブーサック、仏1000ギニー、仏オークス、ヴェルメイユに加えて凱旋門賞も制したGⅠ5勝馬で、その仔に期待が掛かるのは当然です。
ザラクも早くから期待されていましたが、成績はもう一つ。仏2000ギニーが5着、仏ダービーは2着とGⅠには今一歩。その年はムーラン4着で終え、今期はドバイでGⅢに勝ったもののドバイ・ターフは4着。フランスに戻ってガネー2着、イスパハン5着と念願には届きませんでしたが、漸く2400メートルで初戴冠。デュプレ師は、喜びというより安堵の気持ちだったようです。
これで弾みを付けたいザラク、凱旋門賞のオッズは14対1から20対1と、ブックメーカーによって評価は未だ様々です。

フランスのもう一鞍は、3歳牝馬の長距離戦マユレ賞 Prix de Malleret (GⅡ、3歳牝、2400メートル)。11頭が出走し、英国から遠征したミュジドラ賞(GⅡ)2着のヴィンテージ・フォリー Vintage Folly が29対10の1番人気。
4番人気(53対10)のリッスン・イン Listen In が逃げてあわや逃げ切るかまで粘りましたが、後方に控えていた8番人気(175対10)の伏兵ストラススペイ Strathspey が猛然と追い込み、ゴール寸前で逃げ馬を短頭差捉えるサプライズとなりました。中団から伸びた5番人気(103対10)のエラス・ルビー Elas Ruby が1馬身4分の1差で3着に入り、ヴィンテージ・フォリーは中団のまま11着最下位惨敗に終わっています。英国から遠征したオークス4着馬ホースプレイ Horseplay は4着。

アンドレ・ファーブル厩舎、ミケール・バルザロナ騎乗、ゴドルフィン所有のストラススペイは、3歳になってからメゾン=ラフィットの2000メートルでデビューして3着。2戦目にリヨンの2200メートル戦を1番人気で首差で勝って、これが3戦目。もちろん目標は秋のヴェルメイユ賞でしょう。

 

 

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