マルシャン・ドール3連覇達成

日曜日のドーヴィル競馬場に新たな歴史が刻まれました。フランス競馬、夏のスプリンターの祭典・モーリス・ド・ギースト賞で遂に3連覇を達成した馬が現れたのです。
モーリス・ド・ギースト賞(GⅠ、3歳上、1300メートル)は1922年に創設されたスプリント戦。そもそもフランスはあまりスプリントには熱心ではなかったような印象があります。レース名のモーリス・ド・ギースト Maurice de Gheest はドーヴィル縁の大馬主さんで、この人を記念したものですね。
パターン・システム導入時(1971年)はGⅢでしたが、1980年にGⅡ、1995年にGⅠと徐々に格が上がってきたレースです。
フランスのスプリント戦ですから、毎年レヴェルが高いというわけでもないようです。日本での関心は、1998年に武豊がシーキングザパールで制したことで一気に高まりました。
このレース、これまで2年連続で制覇した馬が5頭いました。即ち、アズィヤード Azyade (1936-1937)、ヴァマリー Vamarie (1953-1954)、ナイス・ガイ Nice Guy (1961-1962)、ボアトロン Boitron (1979-1980)、マルシャン・ドール Marchand d’Or (2006-2007)。
そして今年、史上初の3連覇を目指してマルシャン・ドールが挑戦、5対4の1番人気に推される中、見事に優勝したわけです。
騎乗したデイヴィー・ボニラ Davy Bonilla 騎手は同馬を最後方で待機させ、直線で一気に抜け出しての快挙。16頭立ての混戦を制しました。
2着は4分の3馬身でアフリカン・ローズ African Rose 、3着は更に2馬身半遅れてベリフォア Bellifore が入線しています。
オブライエン厩舎のGⅠ狙い、アストロノマー・ロイヤルとユーエス・レンジャーは仲良く5着同着。オブライエン師、今週はアメリカのGⅠも二つ狙っていましたが、セイルとマウント・ネルソンは共に入着まで。今週はGⅠ不発でしたね。そういうこともあるでしょう。
マルシャン・ドールはジュライ・カップも制し、現時点でのスプリント・チャンピオンに踊り出ました。この後はヘイドックのスプリント・カップから凱旋門賞当日のアベイ・ド・ロンシャンを目指します。真のチャンピオンになれるでしょうか。
調教師のフレッディー・ヘッドさん、騎手としても1996年にアナバー Anabaa でギーストを制しています。
そのヘッド師、この日行われたもう一つのパターン・レースであるポモヌ賞(GⅡ、3歳上牝、2500メートル)もアヴァンティ・ポローニア Avanti Polonia で制しています。ヘッドさん、このレースは騎手時代に十八番にしていた重賞で、騎手として6勝というレコード・ホルダーなんです。
ポモヌ賞はローマ神話の女神に由来するレースで、1920年創設。最初GⅢでスタートしましたが、1983年に現在のGⅡに格上げ。最初は2700メートルの長距離戦でしたが、2004年以降は現在の2500メートルに短縮されました。
1馬身半で2着に入ったターフローズ Turfrose は社台牧場の吉田照哉氏の持ち馬。3着は更に2馬身半でビリーヴ・ミー Believe Me が入っています。
イギリス期待のアンナ・パヴロヴァは5着敗退。
勝ったアヴァンティ・ポローニアは去年までドイツで走っていた馬。騎手は当然ながら主戦のボニラくんでした。
この日の第1・第2レースに騎乗した武豊、残念ながら速報では着には絡まなかったようですね。

 

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