ロベール・パパンは今年も英国勢が独占
夏のドーヴィルが開幕する前、7月23日の日曜日にはメゾン=ラフィット競馬場でロベール・パパン賞 Prix Robert Papin (GⅡ、2歳、1100メートル)が行われています。
good to soft の馬場に牡馬4頭、牝馬2頭の6頭立てですが、何と英国からは4頭が遠征し、地元フランスは牝馬1頭のみ。残り1頭はイタリアからの遠征馬という何とも奇妙なメンバー構成になっていました。
4対5の断然1番人気に支持されたのは、英国からクライヴ・コックス厩舎が送り込んだハータック Heartache 。ここまで2戦2勝、ロイヤル・アスコットのクィーン・メアリー・ステークス(GⅡ)で本命のアメリカ馬を2馬身半差で破った快速馬です。アスコットではアダム・カービーが騎乗していましたが、今回はフランスのジェラルド・モッセとのコンビ。
ところがスタート、本命馬は隣枠の英国馬とぶつかるアクシデントがあり、5ハロンの短距離ではこれが大きな不利となります。5番人気(83対10)のフローズン・エンジェル Frozen Angel が好スタートから先手を取って逃げ、スタートは後方2番手だった最低人気(102対10)のアンフォーチュネイトリー Unfortunately が内枠スタートからラチ沿いに進出し、逃げるフローズン・エンジェルを半馬身差し切るサプライズ。ハータックも外から追い上げましたが、短頭差の3着に終わりました。終わって見れば、英国馬が1着から3着までを独占。
勝馬が最後の勝負所で内ラチに向けて寄れ、その後を追走して結局4番手で入線したフランス馬で2番人気(9対2)ハイ・ドリーム・ミレナ High Dream Milena のブードー騎手が一瞬負えなくなるシーンがあり、審議に。結局入線通りで確定しましたが、勝馬に騎乗していたトニー・ピコーン騎手には2日間の騎乗停止処分が科せられています。
勝ったアンフォーチュネイトリーはカール・バーク厩舎、2戦目にハミルトン競馬場で初勝利を挙げた牡馬で、そのあとメゾン=ラフィットのリステッド戦、ポンテフラクトの条件戦と何れもアンラッキーな2着が続いていました。今回も失格になれば、馬名の通り「不運」が続くことになり、相応しくない馬名を付けるのは考え物かも(母の名がアンフォーチュネイト Unfortunate から付けられた名前ですが)。今回は初めて装着した遮眼帯が奏功したと言えそうです。
父は4歳時にゴールデン・ジュビリー、5歳時にはヘイドック・スプリント・カップを制したスプリンターのソサエティー・ロック Society Rock で、やはりこの馬も短距離馬と見て良いでしょう。次走はリッチモンド・ステークスか、再びフランス遠征してモルニー賞になりそうです。
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