2歳馬ニ題

この週末、来シーズンのクラシックを闘う2歳馬の重要なレースが二鞍行われています。今年のシーズンも10月初頭の凱旋門賞まであと6週間、そろそろ来年を見据えた話題が多くなるでしょう。
土曜日のアイルランドはカラ競馬場。GⅡのフューチュリティー・ステークスがありました。7ハロン。去年はニュー・アプローチが、一昨年はテオフィロが制したレースですから、いやでも注目が集まります。
今年は雨の重馬場、そんな中で2着に4馬身差をつけて圧勝した馬が登場したのですから、紹介しないわけにはいかないでしょう。
勝馬の名はアラザン Arazan 。ジョン・オックス師が調教、ミック・キネーンが騎乗していました。馬主はアガ・カーン殿下。
父アナバー Anabaa 、母アスマラ Asmara と言えば、アザムール Azamour の半弟に当ります。アザムール(父はナイト・シフト Night Shift)はGⅠに4勝した名馬。セント・ジェームス・パレス、アイリッシュ・チャンピオン、プリンス・オブ・ウェールズ、キング・ジョージがその内訳ですが、1マイルから1マイル半までに輝かしい成績を収めています。2000ギニーは3着、愛2000ギニーは2着でしたね。
アラザンは父がスプリンターのアナバーに代っていますが、速い馬場を得意にし、距離も1マイルまでは問題ないでしょう。その馬が重い馬場を問題にしなかった。
これで2戦2勝。各ブックメーカーは早速来年のクラシックに向けてオッズを出しました。2000ギニーは6対1、ダービーは20対1というのが一番低いもの。2000ギニーについてはオブライエン厩舎のマスタークラフツマン Mastercraftsman と並んで1番人気です。
もう一つはフランス、ドーヴィル競馬場で行われたモルニー賞です。こちらはGⅠの1200メートル。
勝ったのはブッシュレンジャー Bushranger 、デヴィッド・ワッハマン David Wachman 厩舎所属です。7月のアングルジー・ステークスに勝ち、フェニックス・ステークスはマスタークラフツマンの3着だった馬。こちらは父デーンタイム Danetime 、母ダンツ・ダンツ Danz Danz という血統です。
何より勝タイムが速かった。1分09秒9は、1984年にセヴン・スプリングス Seven Springs が記録したレース・レコードと同タイム。
ブッシュレンジャーには、来年の2000ギニーに25対1というオッズが出ました。
序でにこの日のドーヴィルのパターン・レースの結果を簡単に。
3歳牝馬の2000メートル戦、ノネット賞(GⅢ)はドイツ・オークス2着のドイツ牝馬レディー・マリアン Lady Marian が追い込み勝ち。
4歳上牝馬による2000メートル、ジャン・ロマネ賞(GⅡ)はデットーリ騎手の絶妙な逃げ切りで、フォーク・オペラ Folk Opera 快勝。
3歳上の3000メートル、ケルゴレイ賞(GⅡ)は芦毛の5歳牝馬ポンテ・トレサ Ponte Tresa の強烈な追い込み。去年の仏セントレジャー3着馬です。

 

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