2017ニューマーケット9月開催2日目

ニューマーケット競馬場の9月開催はハンデの伝統戦ケンブリッジシャー・ハンデがメインで、一般的にケンブリッジシャー開催として知られています。昨日の2日目は good to soft 、所により soft の馬場で3鞍のG戦が行われました。

最初のプリンセス・ロイヤル・ナイェフ・ステークス Princess Royal Nayef S (GⅢ、3歳上、1マイル4ハロン)は、チョッと紛らわしいレース。同名のレースは近年アスコットに移設され、秋のブリティッシュ・チャンピオンズ・シリーズで行われるフィリーズ・アンド・メアーズと改名されてGⅠ戦に格上げされました。
同じ名前のこのレースは、実は1994年創設。これまでリステッド戦として行われてきましたが、第23回(1年休止)の今年からGⅢに格上げされたもの。将来単に「プリンセス・ロイヤル・ステークス」勝馬と表記されると混同される恐れがあり、データは取り扱い注意となりますから念のため。

ということで今年の「ナイェフ」が付いたプリンセス・ロイヤル・ステークスは1頭が取り消して9頭立て。ニューバリーでリステッド戦に勝ったあとフランスに遠征してG戦で3・4着してきたゴスデン/デットーリの3歳馬エラス・ルビー Elas Ruby が7対2の1番人気。
レースは8番人気(20対1)の伏兵アッピア Apphia の逃げで始まり、エラス・ルビーは後方から追い込む作戦でしたが、逃げ馬は最後まで渋太く粘り、結局は最後方から追い込む5番人気(15対2)プレザント・サプライズ Pleasant Surprise を半馬身凌いでの逃げ切り勝ちとなりました。先行した3番人気(5対1)のトゥー・エターニティー To Eternity が1馬身半差の3着に入り、エラス・ルビーは7着敗退に終わっています。

ヒューゴー・パーマー厩舎、ジョセフィーヌ・ゴードン騎乗のアッピアは、今年2戦目にグッドウッドの10ハロンで初勝利を挙げ、これまで10ハロン以上の距離でしか走っていない長距離3歳牝馬。ロイヤル・アスコットのリブルスデール・ステークス「GⅡ」に挑戦して5着となり、前走はチェスターで2700メートルのハンデ戦に走って4着していました。G戦初勝利となる今回は、重馬場の逃げと言う展開にも恵まれたと言えそうです。

続くロックフェル・ステークス Rockfel S (GⅡ、2歳牝、7ハロン)は10頭立て。夏のアスコットでプリンセス・マーガレット・ステークス(GⅢ)を制し、前走ドンカスターのメイ・ヒル・ステークス(GⅡ)でも3着したナイアレティ Nyaleti が2対1の1番人気。
8番人気(33対1)の伏兵エリザベス・ベネット Elizabeth Bennet が逃げ、2番手を追走していた5番人気(9対1)のジュリエット・キャピュレット Juliet Capulet が残り3ハロンで先頭に立つと、坂の上りでは後続に2馬身のリード。先行していた本命ナイアレティが残り1ハロンからこれを猛追するも、最後は頭差でギリギリ粘り込んだジュリエット・キャピュレットが本命馬を抑えていました。後方から追い込んだ3番人気(5対1)のガヴォタ Gavota が1馬身半差の3着。

勝ったジュリエット・キャピュレットはジョン・ゴスデン厩舎、ランフランコ・デットーリ騎乗で、これがG戦初勝利。初勝利は4戦目のサースク競馬場と時間が掛かりましたが、続く前走ニューマーケットのスイート・ソレラ・ステークス(GⅢ)では2着と健闘していました。血統的にもレース振りからも1マイルは疑問で、恐らく7ハロンがベストでしょう。来年もギニーには向かわず、より短い距離に活路を見出すタイプと思われます。

ニューマーケット二日目の最後は、ジョエル・ステークス Joel S (GⅡ、3歳上、1マイル)。1頭が取り消して8頭立てとなり、ここは未だ5戦のキャリアながら4勝している3歳馬ビート・ザ・バンク Beat The Bank が11対8の断然1番人気。
オブライエン厩舎のペースメーカー、ホワイトクリフスオブドーヴァー Whitecliffsofdover が逃げましたが、これは2ハロンでお役目終了。これ幸いと先行したマークしたビート・ザ・バンクが2ハロンから2番手に上がり、残り1ハロンで先頭に立つと、あとは独走。後方から追い込むオブライエン/ムーアの2番人気(3対1)サー・ジョン・ラヴリー Sir John Lavery に5馬身の大差を付ける圧勝でした。中団を進んだ5番人気(20対1)のジャロタ Jallota が2馬身4分の1差の3着。

アンドリュー・ボールディング厩舎、オイジン・マーフィーが騎乗したビート・ザ・バンクは、前走グッドウッドのサラブレッド・ステークス(GⅢ)に続くG戦2連勝。前走の際にも紹介しましたが、今年初めにアイルランド(ダレル・バンヤン厩舎)から移籍した馬で、ロイヤル・アスコットのジャージー・ステークス(GⅢ)で20頭立て10着に終わったのが唯一の敗戦。
ここに来て急成長し、来月のクィーン・エリザベス2世ステークス(GⅠ)に7対1のオッズが出されました。秋のGⅠ戦に参戦するかは未定ですが、明らかに来年のマイル路線でチャンピオンを目指す1頭であることは間違いないでしょう。

 

 

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