2017年ヨーロッパ平場G戦の閉幕

11月11日、トゥールーズ競馬場のフィーユ・ド・レール賞 Prix Fille de l’Air (GⅢ、3歳上牝、2100メートル)を以て、今年度のヨーロッパ平場G戦が終了しました。シーズンそのものは今後も行われますが、当欄で扱うG戦はこれが最後です。

soft の馬場に9頭が出走し、ルジェ厩舎の3歳馬で7月から3連勝、前走も同じトゥールーズのリステッド戦(2400メートル)を快勝したヘバー Hebah が23対10の1番人気に支持されていました。
スタート・ダッシュが良かったのは3番人気(48対10)のハッグル Haggle でしたが、150ヤードほど進んだ所で8番人気(23対1)のルーヴェルセー Louversey が代わっての逃げ。2番手に付けていた2番人気(4対1)のソン・マシア Son Macia が残り1ハロンで逃げ馬を交わして先頭に立ちましたが、好スタートから一旦は5番手にまで下げていたハッグルが再び盛り返し、最後の100ヤードでソン・マシアを交わすと、1馬身差を付けて優勝。3番手を進んだ4番人気(53対10)のヴィア・フィレンツェ Via Firenze がそのまま4分の3馬身差で3着に入りました。人気のヘバーはスタートが余り良くなく、中団グループの後方に待機したまま伸びず、結局は6着敗退に終わっています。

勝ったハッグルは、去年3歳時までは英国でルカ・クマニ師が管理していましたが、今年からフランスのアンリ=フランソワ・デヴィン厩舎に転厩し、これがG戦初勝利となる4歳馬。5月にシャンティーのリステッド戦に勝った後は全てG戦に挑戦し、コリダ賞(GⅡ)3着、ジャン・ロマネ賞(GⅠ)7着、ラ・クープ・ド・メゾン=ラフィット(GⅢ)3着と入着を果たし、ここで一ランク上がりました。今回は、同馬に初騎乗となるピエール=シャルル・ブードーとのコンビです。

イギリスとアイルランドは既に10が一杯で全てのG戦が終了していましたし、イタリアとドイツも先週がシーズン最後のG戦。これで全てのスケジュールを終えたフランスは、最後にサン=クルーのGⅠ戦2鞍がキャンセルされるなどアンチ・クライマックスだったシーズンを終えました。来年はニュー・ロンシャンが開場する予定のフランス競馬、2018年シーズンの盛り上がりを期待することで、ヨーロッパ競馬レポートを終了します。

 

 

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