感謝祭のG戦4鞍

昨日の結果レポートの前に、前回紹介したカーディナル・ハンデについて。この芝GⅢ戦は雨のためにダートコースに変更され、この場合は自動的にGランクが一段下がるルールにより一旦はG戦から外されました。しかしその後アメリカG戦委員会が判断し、ダートコースのGⅢ戦として正式に認定されることになりました。詳しい経過は知りませんが、出走メンバーやレース内容から判断したものと思われます。アメリカでよくあるケースかも。

さて11月最終週のアメリカ競馬は、11月23日の感謝祭から4日連続でG戦が組まれる盛況。来週のベルモントGⅠ開催とともに、今年最後の注目週でもありましょう。

感謝祭のG戦は3つの競馬場で合計4鞍。先ずアケダクト競馬場ではフォール・ハイウエイト・ハンデキャップ Fall Highweight H (GⅢ、3歳上、6ハロン)が行われました。fast の馬場に2頭が取り消しての7頭立て。去年のこのレースで2着したストールウォーキン・デュード Stallwalkin’ Dude が、134ポンド(60.8キロ)のトップ・ハンデを背負ってもイーヴンの1番人気。
前半は最低人気(20対1)のヘイ・ジャバー・ジョー Hey Jabber Jaw が逃げ、第4コーナーで2番手を進んだ2015年の勝馬で4番人気(8対1)のグリーン・グラット Green Gratto が外から並び掛けましたが、3番手に付けた5番人気(9対1)のレディー・フォー・ライ Ready for Rye が交わして先頭。前半は最後方で待機したストールウォーキン・デュードが馬場の中央から末脚を爆発させると、4番手から伸びる2番人気(2対1)のスリーファイヴインディア Threefiveindia に1馬身4分の3差を付けて見事人気に応えました。5番手を進んだ3番人気(6対1)のライフ・イン・シャンブルス Life in Shambles が首差3着と順当。
デヴィッド・ジャコブソン厩舎、ジョー・ブラーヴォ騎乗のストールウォーキン・デュードは、去年のボールド・ルーラー・ハンデ(GⅢ、7ハロン)に続く2つ目のG戦勝ちとなる7歳せん馬。今期は前走ボールド・ルーラーが2着で、前々走ヴォスバー・ステークス(GⅠ)では3着していた古豪スプリンターです。

続いてチャーチル・ダウンズ競馬場からは2鞍のG戦。第10レースに組まれていたフォールズ・シティ・ハンデキャップ Falls City H (GⅡ、3歳上牝、9ハロン)は、fast の馬場に1頭が取り消して6頭立て。前走カリフォルニアでゼニヤッタ・ステークス(GⅠ)で2着したフェイスフリー Faithfully が、G戦初勝利を目指してイーヴンの1番人気。
相手と目される2番人気(2対1)のマネーズオンシャルロット Money’soncharlotte が逃げ、フェイスフリーはライヴァルを3番手で追走。しかし2番手に付けていた3番人気(3対1)のブルー・プライズ Blue Prize が第3コーナーで外から逃げ馬を捉えると、直線は内ラチ沿いに圧巻の独走。最後方から追い込む5番人気(14対1)のタイガー・モス Tiger Moss に何と8馬身半の大差を付ける圧勝劇となりました。フェイスフリーは1馬身差の3着まで。
イグナシオ・コレアス厩舎、ジェームス・グレアムが騎乗したブルー・プライズは、去年のアルゼンチン・オークス(GⅠ)馬。4歳の今年からアメリカで走り、これが6戦目での初勝利となりました。9月にチャーチル・ダウンズのローカスト・グローヴ・ステークス(GⅢ)で2着、前走10月にはキーンランドのスピンスター・ステークス(GⅠ)で3着しており、正に機は熟していたと言えそうです。

そして第11レースのリヴァー・シティ・ハンデキャップ River City H (芝GⅢ、3歳上、9ハロン)。yielding の芝コースに2頭が取り消しても13頭立てと頭数が揃い、前々走4月にマイアミ・マイル(芝GⅢ)を制したウォー・コケスポンダント War Correspondent が、休み明けの前走一般ステークス3着を叩いて3対1の僅差1番人気。
3番人気(4対1)のシャイニング・コッパー Shining Copper がスタートから先手を取ると、そのまま6番手から追い込む4番人気(8対1)カサクィ Kasaqui に1馬身4分の3差を付けて鮮やかに逃げ切ってしまいました。9番手から追い込んだ僅差2番人気(3対1)のレーヴド・アップ Revved Up が頭差で3着に食い込み、5番手を進んだ人気のウォー・コケスポンダントは8着敗退。
マイケル・メイカー厩舎、コーリー・ラヌリー騎乗のシャイニング・コッパーは、これがG戦初勝利となる7歳せん馬。それでも一昨年のアーリントン・ミリオン(芝GⅠ)で3着したこともあり、その年はBCターフにも挑戦(11着)していました。去年は僅か3戦ながらGⅠ戦で2・7着となっており、今期はこれが3戦目。前走キーンランドのアローワンス戦に続く連勝です。

感謝祭最後のG戦は、デル・マー競馬場のレッド・カーペット・ステークス Red Carpet S (芝GⅢ、3歳上牝、11ハロン)。去年は日本から遠征したヌーヴォレコルトが制したレースですね。あれから1年が過ぎたことになります。firm の馬場に2頭が取り消して12頭立て、2対1の1番人気は、イタリアから転戦してアメリカ6戦目となるリスポンシブルフォーラヴ Responsibleforlove 。前走サンタ・アニタのロデオ・ドライヴ・ステークス(芝GⅠ)で3着している4歳馬です。
逃げたのは10番人気(41対1)のドゥー・ザ・ダンス Do the Dance でしたが、故障を発症して向正面で競走中止。替わって2番手に付けていた6番人気(10対1)のイアリング Earring がハナに立って逃げます。前半は後方2番手で待機していた5番人気(9対1)のハウ・アンユージュアル How Unusual が直線で大外から追い上げ、5番手を進んだ本命リスポンシブルフォーラヴに半馬身差をつけて優勝。同じく半馬身差で9番手から追い込んだ7番人気(12対1)のラシーン Laseen が3着に入りました。
マイケル・ベンダー厩舎、コーリー・ナカタニ騎乗のハウ・アンユージュアルは、これがG戦4度目の挑戦で初勝利となる4歳馬。前走10月13日サンタ・アニタのアローワンス戦に続く2連勝となりました。

 

 

 

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