ステークス初勝利がGⅠ勝ち

11月最終週のG戦4日連続開催、昨日11月24日の金曜日も感謝祭と同じ構成の3場4鞍が組まれていました。

今日もアケダクト競馬場から。カムリー・ステークス Comely S (GⅢ、3歳牝、9ハロン)は fast の馬場に1頭が取り消して8頭立て。春のクラシック・シーズンでは2歳から3歳にかけてGⅡ戦とGⅢ戦に4連勝し、ケンタッキー・オークスは8着だったミス・スカイ・ウォリアー Miss Sky Warrior がアケダクトでは3戦3勝と言うこともあって9対5の1番人気。
そのミス・スカイ・ウォリアーが好スタートを切りましたが、6番人気(15対1)のラン・アンド・ゴー Run and Go を先に行かせて2番手で待機。本命馬が第3コーナーで逃げ馬を捉えましたが、3番手の外を回っていた2番人気(5対2)のアクトレス Actress が第4コーナーの手前で外からミス・スカイ・ウォリアーに並び掛けると、後は一人旅、6番手から追い込んだ4番人気(6対1)のパレード Parade に8馬身4分の1差を付ける圧勝となりました。ハナ差で交わされたミス・スカイ・ウォリアーは3着に終わっています。
ジェイソン・サーヴィス厩舎、ホセ・オルティス騎乗のアクトレスは、3戦目に未勝利馬としてブラック・アイド・スーザン・ステークス(GⅡ)を制した馬。そのあとはデラウエア・オークス(GⅢ)3着、サラトガのアラバマ・ステークス(GⅠ)4着、パークスのコーティリオン・ステークス(GⅠ)でも6着と敗れており、GⅡ勝ちはフロックではないかと思われていました。ここで2勝目を二つ目のG戦勝ち、しかも大差、初めて装着したブリンカーの効果もあって、これまでの評価を一転させた形です。タピット Tapit 産駒のワン・ツー・フィニッシュ、しかもタピットの娘はこのレース3勝目となりました。

次のチャーチル・ダウンズ競馬場は前日同様G戦2鞍ですが、メインはGⅠ戦のクラーク。その前に行われたミセス・リヴィーア・ステークス Mrs. Revere S (芝GⅡ、3歳牝、8.5ハロン)は、yielding の芝コースに1頭が取り消して10頭立て。ケンタッキー・オークス2着で、芝でもベルモント・オークス4着、前走クィーン・エリザベス2世チャレンジ・カップ2着で、春はエプサム・オークスを目指して渡英(出走しなかったものの)したほどのダディーズ・リル・ダーリング Daddys Lil Darling がイーヴンの1番人気。
9番人気(66対1)の伏兵マリーナズ・レガシー Marina’s Legacy が逃げ、ダディーズ・リル・ダーリングは後方3番手に待機。しかし2番手でマークしていた2番人気(7対2)のラヴリー・ベルナデット Lovely Bernadette が第3コーナーで外から逃げ馬を捉えると、6番手から外を衝いて伸びた3番人気(5対1)のジャーニー・ホーム Journey Home を半馬身抑えての優勝。ダディーズ・リル・ダーリングも2頭の更に外から追い込みましたが、首差届かず3着に終わりました。
ジェームス・デヴィート厩舎、フロラン・ジェルー騎乗のラヴリー・ベルナデットは、前々走インディアナ・グラウンド・ステークス(リステッド戦)、キーンランドのヴァレー・ヴュー・ステークス(芝GⅢ)に続く3連勝。3連勝は2歳時のそれに続く2度目となります。

そして本日のメイン、クラーク・ハンデキャップ Clark H (GⅠ、3歳上、9ハロン)。チャーチル・ダウンズと言えば春はケンタッキー・ダービー、秋はクラーク・ハンデと言われる歴史ある名物レースで、去年は今年のBCクラシックを制したガン・ランナー Gun Runner が制したレースでもあります。今年は fast の馬場に9頭立て。前走ジョッキー・クラブ・ゴールド・カップ(GⅠ)を含めて3連勝中の上昇馬ディヴァーシファイ Diversify が7対5の1番人気。
そのディヴァーシファイが大外枠発走から内に切れ込みながら一気にハナに立って逃げ切りを図りましたが、直線半ばで前半7番手追走の6番人気(7対1)シーキング・ザ・ソウル Seeking the Soul が本命馬を外から捉え、後方2番手から更に外を猛追する3番人気(5対1)のグッド・サマリタン Good Samarita に半馬身差を付けるサプライズ。2014年の勝馬で4番人気(6対1)のホッパチュニティー Hoppertunity が最後方から追い込んで1馬身差の3着に食い込み、ディヴァーシファイは更に1馬身4分の3差の4着敗退です。ホッパチュニティーに騎乗したフロラン・ジェルーが勝馬に対し異議を申し立てましたが、裁決の結果は却下、終戦通りで確定しました。
ダラス・スチュアート厩舎、この日46歳の誕生日を迎えたジョン・ヴェラスケス騎乗のシーキング・ザ・ソウルは、これがステークスもG戦も初勝利となる4歳牡馬。3歳時には未勝利戦とアローワンス戦の2勝のみでしたが、ベルモント・ステークスに挑戦(12着)したほどですから、陣営では素質を見込んでいたのでしょう。今期もアローワンス戦の2勝のみですが、前々走ルーカス・クラシック・ステークス(GⅢ)で3着したのがG戦で2度目の入着。前走キーンランドのアローワンス戦を9馬身差で勝ったのに続く2連勝で金星を射止めました。

金曜日の最後は、デル・マー競馬場のハリウッド・ターフ・カップ Hollywood Turf Cup (芝GⅡ、3歳上、12ハロン)。レース名で分かるように、かつてはハリウッド競馬場の伝統あるGⅠ戦だったもの。2012年からGⅡ戦に降格され、今では「デル・マー」の「ハリウッド」ターフとなってしまいました。今年は firm の馬場に2頭が取り消して7頭立て。7対5の1番人気に支持されたシカゴ・スタイル Chicago Style は、3連勝して初めて挑戦した前走G戦ジョン・ヘンリー・ターフ(芝GⅡ)で5着だった馬ですから、このレースの凋落ぶりが知れようというもの。
レースは5番人気(8対1)のテキーラ・ジョー Tequila Joe と3番人気(4対1)のマニトゥーラン Manitoilin が出たり入ったのスローペースでのハナ争い。第3コーナーからペースが上がり、外から競り勝ったマニトゥーランが先頭で直線に向くと、前半6番手から外を通って急追する本命シカゴ・スタイルを首差凌いでの逆転勝ち。4番手を進んだ2番人気(7対2)のフラムボヤント Flamboyant が1馬身4部の3差で3着に入りました。
ジェームス・トーナー厩舎、マイク・スミス騎乗のマニトゥーランは、これがG戦初勝利となる4歳せん馬。7月に初めて挑戦したG戦アーリントン・ハンデ(芝GⅢ)が4着、前走シカモア・ステークス(芝GⅢ)も7着で、前々走ベルモントのアローワンス戦に勝っていたのですから、本命馬と似たり寄ったりの成績でした。どちらが勝ってもG戦初勝利だったことになります。但しマニトゥーラン、母ソアリング・ソフトリー Soaring Softly はBCジュヴェナイル・フィリーズ・ターフの勝馬ですし、グラスワンダーを初めとして名馬を数多く輩出している名門牝系ではあります。

 

 

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