サンタ・アニタの冬競馬がスタート

クリスマスが明けた12月26日、サンタ・アニタ競馬場で年末から来年6月までのロングラン開催がオープンしました。年内のG戦スケジュールは、12月30日の土曜競馬を残すのみです。初日のG戦は4鞍。

最初のサン・アントニオ・ステークス San Antonio S (GⅡ、3歳上、8.5ハロン)は毎年の年明け2月に組まれていたGⅡ戦で、今年の2月4日にも4歳上の条件で行われて(9ハロン戦で)いましたが、今年は何故か2度目の施行となりました。恐らく1月末にドバイ・ワールドカップ遠征組のトライアルも兼ねて新設されたペガサス・ワールド・カップとの兼ね合いから、そのトライアル的な意味を持たせるために前年12月に移行されたのでしょう。今年2度も開催されるのは例外的な措置と見てよさそうです。
ということで今年2度目のサン・アントニオ、fast の馬場に1頭が取り消して5頭立てとなりましたが、前評判は前走4連勝で臨んだBCクラシックで2着と健闘したコレクテッド Collected と、前2回のサン・アントニオを連覇中のホッパチュニティー Hoppertunity の一騎打ちと見られていました。前者が1対5で断然1番人気、後者は9対2の2番人気で続きます。
最低人気(13対1)のジャイアント・エクスペクテイションズ Giant Expectations が逃げ、コレクテッドは最後方、ホッパチュニティーはその前、4番手で追走。しかしスローに落としたこともあってジャイアント・エクスペクテイションズの逃げ足は衰えず、そのまま3番手追走の3番人気(8対1)アクセルレート Accelrate に3馬身4分の1差を付けて逃げ切り、サプライズを演出しました。何とか追い込んだコレクテッドが首差の3着に入り、3連覇を目指したホッパチュニティーは4着敗退。コレクテッドは明らかに初騎乗となったマイク・スミスの騎乗ミスでしょう。
ピーター・ユートロン厩舎、ゲーリー・スティーヴンス騎乗のジャイアント・エクスペクテイションズは、8月26日デル・マー競馬場のパット・オブライエン・ステークス(GⅡ)に続く2つ目のG戦勝利となる4歳牡馬。10月のサンタ・アニタ・スプリント・チャンピオンシップ(GⅠ)では5着し、前走BCダート・マイルでも6着と、2戦連続でGⅠ戦に挑んでいました。

続いては3歳馬限定の芝コースGⅡ戦、マティス・ブラザーズ・ステークス Mathis Brothers S (芝GⅡ、3歳、8ハロン)。firm の馬場に8頭が出走し、春のキーンランドでトランシルヴァニア・ステークス(芝GⅢ)を制し、秋の芝コース・ダービー3連戦でもデル・マー・ダービー(芝GⅡ)2着、トゥワイライト・ダービー(芝GⅡ)も2着、ハリウッド・ダービー(芝GⅠ)は3着と入着を果たしてきたビッグ・スコア Big Score が8対5の1番人気。
レースは5番人気(7対1)の伏兵クロイ Kroy が快調に飛ばし、後続に2馬身差を付けて直線。ここで徐々に差を詰めてきたのが前半4番手を進んだ2番人気(3対1)のボウイーズ・ヒーロー Bowies Hero で、外から逃げ馬に並び掛け、ゴール直前でクロイを半馬身差捉えての優勝。6番手で待機していた人気のビッグ・スコアは追い込んだものの、3馬身4分の1差の3着に終わりました。
フィリップ・ダマト厩舎、ケント・デサーモ騎乗のボウイーズ・ヒーロー、G戦はこれが初勝利。秋の芝ダービー路線は3戦とも参加しており、デル・マー3着、トゥワイライト3着、ハリウッドが5着で、いずれもビッグ・スコアの後塵を拝していましたが、4度目の対決で逆転を果たしました。そもそも2歳時にはBCジュヴェナイル・ターフ(11着)にも出走していた期待馬で、7月のデル・マーでは一般ステークス(オーシャンサイド・ステークス)に勝ち、芝ダービー路線に乗っています。

この日の第7レースと第8レースが何れも3歳馬限定のGⅠ戦で、先ず牝馬によるラ・ブレア・ステークス La Brea S (GⅠ、3歳牝、7ハロン)は8頭立て。ここは前走BCに参戦した2頭のマッチレースの様相を呈しており、BCフィリー・アンド・メア・スプリントでは1番人気に支持されながらも7着に終わったユニーク・ベラ Unique Bella が6対5の1番人気。一方、BCディスタッフでは3着だったGⅠ戦2勝(サンタ・アニタ・オークスとゼニヤッタ・ステークス)のパラダイス・ウッズ Paradise Woods が2対1の2番人気で続きます。
スタートが良かったのは大外スタートの5番人気(14対1)プリンセス・カレン Princess Karen でしたが、3番手から2番手へと押し上げたパラダイス・ウッズが内からスルスルと伸びて第3コーナーでは先頭。ほぼ同時に外の3番手辺りを追走していた人気のユニーク・ベラが第4コーナーでライヴァルに外から並び掛けると、直線は人気2頭のマッチレース。最後は外のユニーク・ベラがパラダイス・ウッズを4分の3馬身競り落とし、人気通りの決着となりました。5番手から伸びた7番人気(15対1)のモポティズム Mopotism が1馬身4分の3差の3着。
ジェリー・ホーレンドルファー厩舎、マイク・スミス騎乗のユニーク・ベラは、春シーズンはカリフォルニア地区のオークス筆頭候補で、サンタ・イネズ(GⅡ)、ラス・ヴァージェネス(GⅡ)、サンタ・イザベル(GⅢ)と3連勝したものの故障により戦線離脱。秋の復帰初戦となるエル・エー・ウーマン・ステークス(GⅢ)にも勝ってBCに挑みましたが、逃げたペースが速かったこともあっての失速。今回はハナからは飛ばさず、好位待機の差し競馬に転向してのGⅠ戦初勝利となりました。

最後は、3歳牡馬によるマリブー・ステークス Malibu s (GⅠ、3歳、7ハロン)。9頭が参戦してきましたが、3頭が上位人気で並ぶ大混戦。その中から9月にパークス・レーシングでスマーティー・ジョーンズ・ステークス(GⅢ)を制し、前走BCクラシックに挑戦して10着に敗れたパーヴェル Pavel が5対2の1番人気に支持されていました。
レースは、スタートから外枠3頭の激しい先頭争い。しかしスタートで出遅れた1番枠発走の4番人気(7対1)シティー・オブ・ライト City of Light が内ラチ沿いに一気に先頭に立つと、そのまま4番手追走の7番人気(14対1)エドワーズ・ゴーイング・レフト Edwards Going Left に2馬身差を付けて鮮やかに逃げ切ってしまいました。7番手から伸びた3番人気(7対2)のフェイヴァラブル・アウトカム Favorable Outcome が1馬身差の3着に食い込み、終始後方6番手から後手後手の競馬となった本命パーヴェルは直線で思い切り内ラチ沿いを衝いて追い込んだものの、3着馬から2馬身半差の4着に終わっています。
マイケル・マカーシー厩舎、ドライデン・ヴァン・ダイク騎乗のシティー・オブ・ライトは、これがステークス初挑戦(もちろんG戦も)となる馬で、勝鞍自体も2勝目。7月にロス・アラミトスでデビューして2着、2戦目の9月デル・マーで初勝利を挙げ、そのあと2戦続けてアローワンス戦で2着していました。急速に成長してきた1頭と見るべきでしょう。

 

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください