2018年、フランス平場シーズン始まる
この冬は厳冬に見舞われたヨーロッパでしたが、3月も半ばを過ぎ、漸く競馬もスケジュール通りに行われるようになってきました。昨日の3月17日、フランスでは今年最初のG戦となるエクスバリー賞 Prix Exbury (GⅢ、4歳上、2000メートル)が、サン=クルー競馬場で行われています。サン=クルーの平場競走自体は先週あたりからぼちぼち開催されていて、例えば先週は小林智厩舎で日人オーナーグループが所有するトーセンギフト Tosen Gift という馬がリステッド戦に勝ったりもしていました。
さて今年のエクスバリー、時期も時期だけに芝コースは heavy 。4歳から9歳までの古馬7頭が揃い、ここは一昨年のこのレースの覇者で7歳のガーリンガリ Garlingari が11対10の1番人気。実績から他馬より負担重量が重いという不利もありますが、何と言っても去年秋にドラー賞(GⅡ)に勝っており、今期も一月前にカーニュ・シュル・メール競馬場でリステッド戦(芝2500メートル)に勝って始動している強みが信頼を集めていたのでしょう。
レースはそのガーリンガリが先頭に立って進められましたが、本命馬は残り500メートルで早くも一杯。3番手を進んでいた6番人気(13対1)のスター・ヴィクトリー Star Victory が先頭に立った所に、後方3番手で待機していた5番人気(61対10)エア・パイロット Air Pilot が急襲、残り1ハロンで先頭を奪うと、最後方から伸びる最低人気(15対1)のウェイ・トゥー・パリ Way to Paris に4馬身の大差を付ける圧勝でした。勝馬は最後は抑えるほどの余裕で、4分の3馬身差でスター・ヴィクトリーが3着。ガーリンガリは結局6着に沈み、昔の日本でよく敗因に挙げられていた「2走ボケ」に当たるのでしょうか。負担重量差だけの敗戦ではないでしょう。
勝ったエア・パイロットは、出走メンバー中最古参の9歳せん馬で、レイフ・ベケット厩舎、クリストフ・スミオン騎乗。9歳とは言いながら未だこれが22戦目で、年に3戦ほどのペースで休み休み使われてきました。2015年にカラーのインターナショナル・ステークス(GⅢ)に勝ったのがG戦初勝利で、以後は毎年1鞍づつ、2016年にシャンティーのラ・クープ(GⅢ)、去年はナースでアレッジド・ステークス(GⅢ)と勝ち星を重ね、これが7勝目にしてG戦も4鞍目となりました。
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