冷たい手を@ウィーン国立歌劇場

ウィーン国立歌劇場のアンサンブル・メンバーたちが集う再開コンサート、今回は何と6回目を数えます。当初この回は予定されていませんでしたが、回を重ねるうちに開催が決まったのでしょうか。オッタヴァ・テレビでも急遽配信が決定されたようで、日本でも現地と同じ時間で見ることが出来ます。
コンサートのタイトルは、もちろん「ラ・ボエーム」のロドルフォが歌う有名なアリアで、この回はシャホウ・ジンシュ・プレゼンツ、ということでしょう。ヴェルディとプッチーニを中心に、イタリア・オペラの良い所取りコンサートでもあります。

ヴェルディ/「マクベス」ああ、子供たち、我が子たち(ルカーニョ・モヤケ)
ヴェルディ/「ドン・カルロ」ひとり寂しく眠ろう(パク・ヨンミン)
ヴェルディ/「ドン・カルロ」おお、むごい運命よ(シルヴィア・ヴェレシュ)
ヴェルディ/「ドン・カルロ」おおカルロよ、お聞き下さい(サミュエル・ハッセルホーン)
ヴェルディ/「リゴレット」第3幕の四重唱(アンドレア・キャロル、ゾルヤーナ・クシュプラー、シャホウ・ジンシュ、クレメンス・ウンターライナー)
ヴェルディ/「シチリア島の夕べの祈り」ああ汝パレルモ(ライアン・スピード・グリーン)
ヴェルディ/「ファルスタッフ」喜びの歌はいとしい人の唇から出で(パーヴェル・コルガティン)
ヴェルディ/「ファルスタッフ」夏の爽やかなそよ風の中を(ヒラ・ファヒマ)
プッチーニ/「ラ・ボエーム」冷たい手を(シャホウ・ジンシュ)
プッチーニ/「ラ・ボエーム」私の名はミミ(ヴァレリーア・サヴィンスカヤ)
チレア/「アドリアーナ・ルクヴルール」苦い喜び、甘い責め苦(モニカ・ボヒネック)
プッチーニ/「つばめ」ドレッタの夢(ヴァレンチナ・ナフォルニツァ)
プッチーニ/「トゥーランドット」ピン・ポン・パンの場面(シャホウ・ジンシュ、サミュエル・ハッセルホーン、レオナルド・ナヴァロ)
 ピアノ/ルイゼラ・ジェルマーノ Luisella Germano

ロドルフォとミミのアリアは2曲セットということで、ミミのアリアにはちゃんとロドルフォが相槌を打っていました。
ホロッとさせてくれたのは、最後に歌われたトゥーランドットからピン・ポン・パンの三重唱。途中で3人が小道具として取り出したのがマスクで、それをポイと投げ捨て、こんなものは「さらば」と歌います。早くマスクの世話にならない世界が戻ってくるように、というアンサンブル・メンバーたちの願いが籠められているように見えましたね。

ヨーロッパのオペラ、特にイタリア・オペラでは「マスク」が時折登場します。ドン・ジョヴァンニ然り、仮面舞踏会然り。ところでヨーロッパのマスクは顔の上部、即ち目を覆うものですが、コロナ対策のマスクは顔の下部、特に口を覆うものですよね。文化の違い、という大袈裟なものじゃありませんが、同じ「Masque」と言ってもに二種類あるようで・・・。

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