新世界へ! 新たな音楽の生まれた国(オンライン)

ミューザの5日目は、神奈フィル。今年のフェストで一つだけ選べと言われれば、私ならこれをチョイスしていたというコンサートですね。

ドヴォルザーク/管楽セレナードニ短調作品77
J・S・バッハ/2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1043
     ~休憩~
ドヴォルザーク/交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」
 管弦楽/神奈川フィルハーモニー管弦楽団
 指揮/川瀬賢太郎
 ヴァイオリン/石田泰尚、﨑谷直人
 コンサートマスター/石田泰尚(ドヴォルザーク)
 ゲスト・コンサートマスター/千葉清加(バッハ)

今日が7月28日というのも何かの縁。そう、この日はバッハの命日に当たっているんですねェ~。誰も指摘していなかったので、多分偶然でしょう。そもそも最初の予定では前半は別の作品が演奏されているはずでしたからね。
とは言っても、ヤッパリ凄いこと。神奈川フィルは「何か持っているオケ」なんだと思いました。

そのバッハ、素晴らしかったですね。特に第2楽章。オケのゲスト・コンマスには日本フィルの千葉嬢が参加するという豪華キャストで、﨑谷ファースト、石田セカンドという組み合わせ。チェロとチェンバロ以外は立奏での演奏でした。
二人のソロによるアンコールでフォスターの「金髪のジェニー」(山中惇史編曲)が披露されたのも嬉しく、見事に後半の「新世界より」に繋げました。この辺りのセンス、神奈川フィルの持ち味でしょう。

メインの新世界、プレトークで川瀬が暗示していたように、第3楽章のトリオでいつもと違う音が出たり、終楽章のシンバルも1拍遅れだったり。もちろん間違えたのではなく、ステイホーム期間中に川瀬がドヴォルザークの手書き譜を丹念に検証した結果だそうな。
そもそも新世界は新しい校訂版が出版されたりして、今後も新しい視点から見直した演奏が出てくることでしょう。如何にも川瀬らしいアプローチでした。

全曲の演奏が終了した後も拍手鳴り止まず。特に第2クラリネットの新野慎一氏に熱い拍手が送られていたのは、氏がこの演奏会を以て退団されるからでもありました。客席の多くがそれを知っての声援。やはりこのオーケストラには熱心なファンが付いているようです。
なお、最初の管楽セレナーデでは右側、オーボエの前に設置されていたマイクが不調で、音量が急変するトラブルがありました。アーカイヴ配信で改善されていると良いのですが・・・。

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