作成者: メリーウイロウ

強者弱者(71)

雛祭  三日、上巳の節句、各戸皆雛をまつりて女子の前途を祝福す。蛤の吸物、くはい、うど、蓮根、椎茸の煮しめ、炒豆、五もくめしなど色黒く荒くれたる人の膳にも上りて平和の色門戸の外に溢る。袖長く髪うるはしき人の白酒に瞼を染めたる、少女の幸福ただ...

復刻版・読響聴きどころ(3)

2007年2月の名曲シリーズの聴きどころ。三回に分けて書きました。 例によって聴いた感想を最後に追加しておきます。ただし、私が聴いたのは同じプログラムによる芸劇名曲の方。           ********** この回はグシュルバウアーの...

オオイヌノフグリ

去年の春から秋にかけて散歩の途中で出会った路傍の花を「自然」というカテゴリーで思いつくまま紹介してきましたが、漸く春が巡って来て、今年も様々な花が咲き始めました。 そこで当ブログでも、去年取り上げなかったものを中心に、折に触れて扱っていく積...

きゅりあん・スプリングコンサート

九州旅行から帰ったばかりなのに、性懲りもなく日曜日のマチネーを聴いてきました。出掛ける気になったのは、会場が地元・大井町の「きゅりあん」で下駄履きで行けるほど近いことに加え、尊敬すべきピアニスト・小川典子が恐らく初めてであろう大井町に出没す...

強者弱者(70)

三月  二月は一年の中に在りて最も不愉快なる月なり。新年の興楽夢の跡なきが如きに消えて、そぞろに宿酔の後を思はしむる一種の哀感綿々として尽きざるに、来るべき青春の色彩と音楽とは之を尋ぬるに所なく、世は唯風と雪と塵埃と泥濘との天地のみ。三月は...

北九州珍道中

2月25日から2泊3日で北九州を回ってきました。私の場合は観光が第一目的ではなく、コンサートを聴く旅。今回は日本フィルの九州ツアーの一部を聴こうと目論んだのですが・・・。 当初の予定では25日に長崎に飛び、市内観光で数個所を巡って夜はコンサ...

日本フィル九州ツアー/福岡公演

毎年2月、日本フィルは九州公演に出掛けます。1975年に始まったこのツアーは、今年で何と35年目を迎えました。九州各地の実行委員の熱意とクラシック音楽を愛する地元のファンに支えられた、日本でも稀有なイヴェントでしょう。 私も一度は参加したい...

強者弱者(69)

近郊の梅  蛤を売る声寒し。  市内各駅に鉄道庁の探梅広告を見る。杉田、大森、蒲田の梅園既に見頃なり。関東の梅は杉田に尽く。江東、木下川の梅園は未だし、梅は庭園にありてよしといふは僻言なり。大船より横須賀線に沿うて通ずる山道、渓谷紛糾して蒼...

復刻版・読響聴きどころ(2)

読響聴きどころは、当初は定期演奏会だけを対象にするつもりでしたが、名曲シリーズにも手を出してしまいました。これは2007年1月の名曲シリーズの聴きどころ。 プログラムは前半がシュニトケの交響的前奏曲とヴァイオリン・ソナタ第1番、後半がドヴォ...

強者弱者(68)

春漸く近し  春近く、杉の色あかし。松柏は霜に緑の色をほこるも、春に遇うて衰ふ。たとへば意志強き人の、燃ゆらん青春の日を厳粛なる努力に送りて、功成り名遂げたる暁既に頭上半白の霜を加へたるに似たり。二月の末、野に立ちて、杉の木立の色漸く衰へゆ...

N響・第1665回定期の放送

この回もBS2の放送が流れてハイビジョン放送を見たもの。1月15日にNHKホールで行われたC定期です。 これもフォスターに替ってピンチヒッターが指揮台に立った回ですが、予定されていた曲目に変更はありません。 プログラムはオール・チャイコフス...

復刻版・読響聴きどころ(1)

昨日(2月21日)、都内某所で行われた会合で「クラシカル・ウォッチ」なるブログが話題になりました。 提案を受けて即座に実行するところが管理人メリーウイロウのそそっかしいところなのですが、要するに「音楽一般」カテゴリーにかつて掲載していた読響...