作成者: メリーウイロウ

強者弱者(91)

菜の花  菜の花盛りなり。蕪村の句に於いて見るが如き雄大の光景は之を武蔵野に見る可からず。寧ろ麦の畑にとなりて一もと二もと咲き出でたるを大師詣の少女の手折らんとしたる、或は洗場の水に捨てられたる根の端に芽ぐみて、かりそめに咲き出でたるを蝶の...

復刻版・読響聴きどころ(11)

2007年5月の名曲シリーズは、テミルカーノフの指揮するブラームス・プログラムでした。           ********** 5月は早々と読売日響のコンサートを聴いてきました。ミューザ川崎で行われたファミリー名曲コンサート。ここで5月の...

ムラサキケマン

ムラサキケマンと言えば、ウスバシロチョウの食草です。子供の頃は毎週のように高尾山で昆虫採集に明け暮れていましたが、そこで出会ったのがウスバシロとムラサキケマンです。 ですから比較的最近になって自宅付近で見つけた時にはかなり驚きましたね。おっ...

フランスの新星2騎

昨日は北半球で今年最初のクラシックである桜花賞が行われましたが、フランスでもいよいよロンシャン競馬場のシーズンが本格的にスタートしました。アイルランドのカラー競馬場の結果と合わせてレポートしましょう。 先ずロンシャンはノアイユ賞(GⅡ、3歳...

強者弱者(90)

大師河原  十二日八せん。此頃風雨多し。十七日上野東照宮の祭礼。落花地に委して境内転た寂寥たり。  小金井の花毎年此頃を以て盛りとす、小金井の特色は前に説きたるが如し。大師河原は東京の染井桜を移植したものなれば俗悪にして見る可からず。殊に『...

強者弱者(89)

浮間の桜草  中仙道板橋駅を出でて行くこと弱一里、志村を過ぎて、坂を下れば、視野忽に開けて荒川の河盂となり、遥かに国境の連山を望む。土俗呼んで『浮間』といふ。行くに随って道は広き蘆荻の原に入る。荒川の氾濫地域なり。春風隴上を吹いて蘆の若芽の...

カラスノエンドウ

春の野原に普通の植物ですが、都内でも日当たりの良い公園や、側道の植え込みなどで見掛けるお馴染の野草。 私の記憶では青山通りの赤坂見附付近に多かったように思います。 3月頃から赤紫の小花を咲かせ、葉の形から直ぐにマメ科の植物であることが判るで...

強者弱者(88)

クローバー  和蘭碎米菜(苜蓿)は明治の初め先ず東京市に移植せられ、鉄道工事の進捗と共に今や軌道の沿線到る処に其花を見んとす。春の初めより咲き初めて夏の半ばに至る。山村僻地の人は東京に出で、必ず一度は碎米菜に似て碎米菜にあらざる苜蓿の花に怪...

メゾン=ラフィットのギニー・トライアル

昨日はメゾン=ラフィット競馬場でクラシックに向けた二つのトライアルが行われました。牡馬によるジェベル賞と牝馬のためのアンプルーダンス賞。 去年の日記にも紹介した通り、アンプルーダンスは去年からGⅢに、ジェベルは今年からGⅢに格上げされたトラ...

強者弱者(87)

碎米菜の花  碎米菜の花咲く。其毛氈を敷きつめたるやうに咲き出でたるを、高きに登りて俯瞰したるはよし。菜の花の黄、麦の緑と相点綴して自然の配合最も妙なり。森の下蔭に菫、蛇苺、きんぽうげなどと交りてまだらに咲き出でたるもよし。碎米菜の葉は緑の...

強者弱者(86)

甘茶  八日 釈迦降誕祭、涅槃会にくらべてものみな陽気に華やかなり。花にて釈尊の像を囲み、頂より、甘茶を灌ぐこと、鄙も都も同じならはしなり。釈迦の降誕祭に就いて、思い出づるは草餅の味、新菊の香なり。新菊はひたしによく、鯛、ふぐ、虎魚のチリな...

復刻版・読響聴きどころ(10)

2007年5月は、ロシアの名指揮者ユーリ・テミルカーノフの登場でした。まず定期。4回に分けて書きました。           ********** スクロヴァチェフスキ旋風が吹き荒れるのを見守っておりましたが、5月定期が間近に迫っています。...