ヘッセの蝶

今朝、NHKのニュースを見ていたら、ヘッセの蝶の話題が放送されていました。 大阪のコレクターが集めた蝶の標本の中に、採集者がヘルマン・ヘッセであるというベニヒカゲの標本が紛れ込んでいたというニュース。 これをドイツ文学者の岡田朝雄氏が鑑定し...

強者弱者(38)

煙塵  快晴、毎年歳末に近く大気乾燥して火災漸く多し。街上煙塵の甚しきは小石川造兵側、本郷赤門前、青山学院前など行歩頗る悩む。歳末より西北の風につれて屡ゝ龍巻を見る。龍巻は青山練兵場に多し。渦き騰る煙塵の裡より騎兵の一列横隊が馬首を揃へて馳...

強者弱者(37)

新兵入営  一日 新兵入営。都下の新聞紙皆競うて此日の光景を報道す。その観察の浅薄にして皮相に過ぎざること、寧ろ滑稽の感に堪えず。麻布龍土の歩兵第三連隊は主に近在より徴されたるものを集め、赤坂檜町の歩兵第一連隊は主に市内の壮丁を収容す。新兵...

読売日響・第487回定期演奏会

読響の11月定期は11月最後の30日に行われました。今シーズンの読響で最も注目すべき定期がこれ。もしシーズンで一つだけ選べと言われれば、私は躊躇いなく本会を選ぶでしょう。 そもそもシュニトケ作品だけで一夜のコンサートを通してしまうあたり、読...

強者弱者(36)

灰色の雲  灰色の雲低く地に垂れたる日、風寒く日昏し。神田はみぞれ、本郷は雪、芝は雨、果せるかな駒込を吹く風、最もつめたし。  三十日、一年志願兵除隊。市内の壮丁にして横須賀の要塞砲兵に徴さるゝもの、皆新橋を発す。           **...

京都市交響楽団・第530回定期演奏会

また来てしまいました、京都。 最初はこの回はパスする積りだったのですが、8月の定期があまりにも良かったので、ついつい勢いで購入してしまったチケットです。勝手に名付けている広上フェスティヴァル第2弾は京都で決まり。 11月最後の週末は、誰が考...

強者弱者(35)

靄  霜ふかき日は午に入て鳶色の靄深し。靄の日遠く、芝、牛込、本郷、上野の岡を望めば淡墨一抹、宛として春霞の揺曳するが如きを見る。霜を見ざるの日は又靄を見ることなし。靄は午前十一時頃より始まりて午後二時頃に終る。郊外より市を望むもの、地平線...

漸く日本の競馬も国際舞台に

ジャパン・カップが近付いて日本の競馬ファンの目も海外の競馬に向かいつつありますが、先日のレーシング・ポスト紙でも日本の競馬が話題になっていました。 ジャパン・カップの話題ではなく、来年から漸く日本のクラシック・レースも外国産馬に開放されると...

N響・第1657回定期の放送

アンドレアス・ルートヴィヒ・プリヴィン指揮のN響、10月の最終回は10月28日にサントリーホールで行われたB定期です。なに、アンドレ・プレヴィンのことですがね、ドイツ人ですから本名は上記の通りです。 誕生日は知りませんが、1929年生まれで...