N響・第9の放送

先日、NHKハイビジョンでN響の今年の第9が放送されました。簡単に見たまま、聴いたまま。 今年の指揮者はドイツの巨匠、クルト・マズアです。マズアは1927年、シレジアの生まれですから今年82歳。久し振りに指揮姿を見ましたが、やはり歳を取った...

読売日響・第521回名曲シリーズ

読売日響には五つのシリーズがありますが、定期演奏会以外のシリーズの12月はベートーヴェンの第9と決まっています。今年は同じメンバーで6公演行われるようで、私は4日目、25日の名曲シリーズを聴いてきました。 (シリーズ以外の特演が2回、続いて...

強者弱者(43)

歳暮  二十五日、クリスマス、各教会子女を集めて教主の降誕を祝す。帝国ホテルにも夜会あり。燭白く夜長く、音楽絶えず、歓楽春の如し。  各学校試験終りて冬季休業に入る。これより山の手の邸町、生垣越にカルタを読む声の物狂はしきを聞く。貧しき家の...

強者弱者(42)

歳の市  歳の市は其処によりて日を異にす。草市につどふ好き人の、灯影に見る中形の浴衣の瀟洒として質素なるも、人によりてなまめかしきに比べて、これはコート、毛皮の襟巻、流行のマッフラーなど、黄金によりてきらびやかなるはいやし。羽子板の押絵によ...

日本フィル・第9交響曲

今年も第9の季節が巡ってきました。思えば、去年勤めを終えた日も最後は第9。オーケストラは新日本フィルながら指揮は同じ広上淳一でした。 巡り合わせ、ということではなくて自ら演出したことでもありますが・・・。 私は特に年末だから第9を聴くという...

強者弱者(41)

冬至  冬至、一陽来復といへど、歳末忙怱、日彌よせまり、光彌よ淡き心地す。野にありては尾花の叢小笹の道、一望狐の色にうら枯れて風にさゝめき、みぞれに鳴る。小さき野鼠の落葉の音をぬすみて通う榛の下道、『大師道』の木札さみしく多摩川用水の底すみ...

コヴェントガーデンの「ヘンゼルとグレーテル」

先週末にBS2で放送されたものですが、なかなか時間が無くて漸く見たもの。リタイヤードなら時間などいくらもあると思われるでしょうが、意外に忙しいもので、オペラを2時間かけて見る時間は容易には作れません。 2008年12月12日と16日にロンド...

N響第1660回定期の放送

金曜日にBS2で放送されたN響11月定期Bプログラムです。11月25日にサントリーホールで収録されたもの。 ネルロ・サンティの指揮でオール・ベートーヴェン・プログラムで、曲目は①歌劇「フィデリオ」序曲 ②交響曲第4番 ③交響曲第6番「田園」...

強者弱者(40)

冬の月、枯野  月まどかなり。満都を氷壺の裡にてらす。冬の月は研ぎすましたる鏡の如く、趣、弦月に深し。弦月はゴシック風の塔にかゝりてよし。『長安一片月』など、冴えたる光はすべて萬頃のいらかを照すにふさはしきか。  郊外にありて枯野の情趣最も...